「24」と「55」

松井選手がアリゾナ州フェニックスにあるアスレチックスのキャンプ地に到着した頃、シアトルから朗報が届いた。

「24番」が帰って来たとの知らせだ。
昨シーズン途中で突然引退したケン・グリフィーが特別コンサルタントに就任したのだ。ジュニアの仕事は球団の強化や運営だけではなく、マイナー球団での若手育成にマーケティングもあるという。
シアトルの天然記念物・ジュニアがマリナーズにいるといないとでは全然違うと感じるのは、けっしてボクひとりではないだろう。
薬物問題が相変わらずくすぶったままの大リーグのなかで、ただひとりそんな噂にもならないジュニア。大リーグ史上歴代5位の630本塁打を放ったジュニアは太平洋を越えた日本でも多くのファンがいる。攻守に全力でプレーする彼。独特の打撃フォームでホームランを放った姿は未だにファンの眼に刻まれている。満身創痍でありながら40歳まで大リーグで活躍した彼の足跡は多くの若い選手には憧れに違いない…。

打撃フォームと言えば、松井選手の打撃フォームも独特だろう。そう、あの美とも言える「人」の形になる打撃フォームだ。絶対に首とあごが突っ込んだ姿にはならない。安定して、それでいて柔軟でもある。そして、振り抜いて手首がかえった瞬間の左肩の位置。まるで、交響曲のフィニッシュを告げる指揮者のような姿にも似ている…。しなやかで力に溢れ、白球を見据えたまま、決して動じないまなざし…。
だからボクはいつも感心する。なぜなら、ホームランになるか否かの判断はバットと白球の衝撃音と彼の左肩のまわりさえ見ていれば、瞬間に「いったね!」と言えるからだ。フェンスギリギリの経済的なホームランなどは、滅多にお目にかからない。彼の打ってきたホームランの飛距離はそのほとんどが「おつり」がくるほどの距離を飛ばしてきた。あの独特のフォームで…。

未だにそうだが、ジュニアと松井選手はどこか似通っていると感じてならない。そのことは散々このブログでも書いてきたが、多分それはふたりの生き方から漂う毅然とした「nationality」にあるのかも…。アメリカ的自由さと、日本式礼儀作法。アメリカ的家族主義と日本風土的全体思想。ふたりとも、ボクの目から見れば「不偏的」でもあり「頑固者」でもあり、そこがジュニアと松井選手の人間として最大の魅力になっている。だからこそ、ふたりは真の「international」に成り得たのだろうとも思う。
イチロー選手がジュニアを「天然記念物」と評したが、おみごとな形容ではないか。と、同時にボクは松井選手もまた同じ意味で「天然記念物」であるとも感じている。現代で、あれほどチーム全体の勝利を歓び、そこに向かう自分を創ることに専念できる若者がいるだろうか。昭和の時代はとうに終わって、平成の時代なのに。この時代に松井選手は自分の年齢よりも高い層に支持されている。そんな野球人はそうそういないだろう。

さてさて、ふたりの話しはこれまでとして…。
いよいよキャンプイン間近だ。今季は「ホームラン量産」と「打点」に期待しようと思う。
今季、そんな雰囲気が漂う…。

…NY152…
by mlb5533 | 2011-02-20 01:21 | 第九章