強い! 新生・緑の軍団打線 演出したのは…

暖かなカリフォルニアとは違って寒さが堪えるシカゴでの3連戦は、オークランドが今日の逆転勝ちで2勝1敗とし、ミネソタ3連戦に続いてこのカードでも勝ち越した。

強い! 新生・緑の軍団打線 演出したのは…_a0094890_15424163.gifこの3連戦は、全て延長戦にもつれ込み、1戦目はスズキ君のホームランで決着し、2戦目はシカゴのラミネス選手のサヨナラホームラン、そして今日の3戦目はまずは4回、松井選手の先制ホームランでドラマの幕が開き、敗戦濃厚だった9回土壇場には、ジャクソン選手、ウィリンハム選手、松井選手の3連打からオークランドの大逆転劇が始まった…。

いよいよ緑の軍団打線が「線」になってきました!



本日の勝ちはデカイ。意味のあるデカイ勝利だった。

チーム勝率を5割にするか、負け越しが2つになるかの瀬戸際の大切な試合。手みやげを持って地元に帰るか、それとも借金を抱えて帰るか、わかりやすく言えばそれほど大切な試合だった。地元ファンがスタンドに集まってくれるのは、「オラがチーム」の勝ち姿を見たくて集まってきますから…。
まだ開幕10試合程度とは言え、「10月決戦」の進出を狙う以上、西地区トップとの差は絶対に開きたくないのがチーム事情。そんなことは全選手がわかっている。昨日、6回でせっかく逆転したものの結局は延長で敗れた。勝てていた試合をこぼしたり、逆転負けが続くとチーム力の低下に繋がってしまう。
そんな不安の中で、今日のシカゴの先発投手はまたしても左のダンクス投手だった。簡単には勝ちを予感させてはくれないのがMLBだ。

ゲレン監督さんが松井選手をどのように判断するのか、注目していた。すると、監督さんはなんのためらいもなく迷わず5番DHの先発出場させた。以前いたチームの監督さんとはゲレン監督さんの松井選手への評価は違っている。その起用に一発回答するから、この人はスゴイです。
0-0で迎えた4回表、松井選手の「人の字」打法がまたしても炸裂。打球は飛ぶ飛ぶ、推定412フィート(125メートル)も飛んでセンターバックスクリーンまで。左のダンクス投手を粉砕した瞬間だ。ゲレン監督さんは「してやったり」と息巻いたことだろう…。松井選手の活躍はこの一打では終わらない。

圧巻は9回土壇場の「ドラマ」だろう。
OKA 1-4 CWS で迎えたシカゴは9回表、左の救援投手セール投手を起用。シカゴは勝ちを確定したいのは当然だろう。
だが、今日のオークランドはいつもと様子が違っていた。先頭打者のジャクソン選手が2塁打して出塁すると、続くウィリンハム選手がセンターに弾き返してまずは1得点返した。
OKA 2-4 CWS となって、
次の打者は松井選手。ここで代打か…などと思ったのはシカゴファンだけである。ゲレン監督さんは絶好調の松井選手に代打を送るわけがない。
そして、ここでもまた監督さんの思惑どおり「マツイは打っちゃった」のです。これで、無死1,2塁に走者が残る。松井選手の膝を配慮して、ようやくゲレン監督さんは代走に俊足クリスプ選手。クーズマノフ選手が歩いたから、なんと無死満塁。しかし、後続が連続三振して、2死となり万事休すと思ったが、これまでのオークランドとはひと味違う。ラストバッターのペニングトン選手が起死回生のセンター前ヒット!
この安打でふたりが生還して、
OKA 4-4 CWS
の同点タイムリーヒットだ。4安打を集中しての3得点。土壇場で追いついた。誰がこんな「ドラマ」を書けるだろうか…。
2死1,2塁だ。これで一気に逆転だ…と、安易なドラマを書き上げないのが野球の神様です。楽しみは後に残してくれた。

「ドラマ」はまだ続く。10回表だ。スコアシートは真っ黒だったことでしょう。
1死からジャクソン選手が歩いて、続くウィリンハム選手も歩く。これで、1死1,2塁。松井選手の代走のクリスプ選手がセンター前へタイムリーして、ジャクソン選手生還の逆転。さらに、俊足クリスプ選手はスチールを決めて、走者2,3塁だ。この好機にバートン選手がライト前への2点タイムリーヒット!
一気に、
OKA 7-4 CWS
と、シカゴを引き離した。
最後は、フェンテス投手が3者凡退で締めた。ベンチはお祭り騒ぎ…。
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今日の勝ちは、打線が繋がったことにもよるけれど、ゲレン監督さんの采配の勝利って感じがした。
松井選手の起用にしても、クリスプ選手の使い方、そして、10回タイムリーを打ったバートン選手の起用にしても、監督采配がズバリ的中した結果だなあ…と。こういう勝ち方をすると、選手たちは監督さんの采配に迷うことはしなくなる。育て上げる監督さんとしては近年ではヤンキースのトーリ監督さんもそうだった。カノー君が今日あるのも、本人の努力であることには間違えないが、少々のエラーをしても辛抱強く使ってくれたトーリ監督さんのお陰でもあろう。
ボクはなんだか、このゲレン監督さんに興味がわいてきましたぞ。
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…NY152…
by mlb5533 | 2011-04-14 15:49 | 第九章