501号はヤンキースタジアムで!

ボクがこの目で見た松井選手の今季7号ソロホームランは、PCのMLBサイトからだった。
この7号ホームランが飛び出すまで、長かった…。
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松井選手にとって、今季ほど成績が悪化したシーズンはなかったろう…。各メディアから、ずいぶんなことも報じられた。ボクは見たくも、読みたくなかったが、つい、目にしてしまう。いい感じはしなかった。もしかしたら、ほんとうに今季限りなのか、とさえメディアに洗脳されそうにもなった…。それでも、百歩譲って松井選手が不調でもチームが勝っていればいいのだが、チームの勝敗は明らかに松井選手のリズムと連動してしまう。先発投手が踏ん張っても、押さえ投手が打ち込まれて、勝てる試合を10勝以上無駄にしてしまった…。「んーーーー」そんな声を、随分ボクはテレビの前で出してきた…。

ところが、オールスター明けの試合から昨日まで、オークランドに元気が帰ってきた。異常とさえ思えるほどに、勝ちに執着する選手たちの姿がいま戻ってきた。
オールスター直前、オークランドは首位テキサスとの4連戦で、4連敗と粉砕されてしまった。あのときはさすがのボクも「今季は…終わったかな…」とさえ、意気消沈したものだ。
負けないテキサスはチーム創設初の12連勝まで勝ち星を伸ばしていた。

シーズン後半になっても、開幕当時から比べれば、オークランドにさほどの期待感は正直、薄らいでしまっていたボクだった。
期待していないのに、なぜ? エンジェルスとの4連戦はすごすぎだった!
10勝投手のヘレン投手を攻めまくったではないか! 翌日のダブルヘッダーではアタマはとれなかったものの、ウラの試合ではサイズモア選手がサヨナラを決めた!
4戦目はオークランドの大黒柱ゴンザレス投手が7回を四安打完封に押さえて9-1で勝った。エンジェルス相手に3勝1敗だ。

肝心の松井選手も実は、オールスター直前、打率.209まで落ち込んでいた…。こんな成績は見たことがない…。
なのに、だ。このエンジェルス戦4連戦からデトロイト戦2連戦の6試合で、なんとなんと、この数字だ。

19打数 8安打 打率.421 そして、打点10 本塁打1

打率はもうこれ以上下がったら、地下に潜るエレベーター状態になりかけていたのに、たったの6試合で一気に、.223に急上昇! 
なんなの、いままでは…?-?※☆♪∞-! なんで松井選手ってこんなにドラマがお好きなのよって、カゲグチを言いたくなるほどの、うれしさです。

そして、昨日でしたね…。
メディアは、とくにアメリカ方面のメディアはさんざんなことを書いていたのに、あの日の晩だけは、「いい!」とか書いてるし…。

なぜか?
それは今季7号ソロホームランが、松井選手にとっては「日米通算500号」の記念樹になったからだろう。500号ホームランという数字自体が、MLB関係者には「敬意」を表しているのでしょう。
驚いたのは、MLBサイトの中継放送です。見ていたのですが、松井選手が3塁を回ったところで、「日米の国旗」が現れて、「通算500号」とのスーパーが出たのです。もちろん、テレビ局がこの瞬間のために用意したテロップです。

松井選手個人は常々「個人記録には関心がない」とか「通算の記録? それはいい」と、素っ気ないコメントをしている。実はボクも、「通算」という数え方には少々抵抗がないわけでもない。

この「500」という数字自体は確かに数だから、無機質なものだが、ただし、特別視したい数ではある。
物語が潜んでいる数、ということなのだろう。歴史好きの米国では、この数に「歴史」の息吹を感じるのだろう。

遙か彼方の日本という小国からはるばると太平洋を渡ってやった来た一人の野球選手。日本ではホームランを量産したらしい。その選手を、大国アメリカの国技であるベースボールの、その頂点を極めいてるチーム・ヤンキースのオーナーが直々に「獲りに行った」ニュースは、全米を震撼させた。その選手の名は、松井秀喜選手という…。
誰もが疑った。本人も日本を去る決心をしたとき、記者たちの前で「たとえ裏切り者と呼ばれようとも…」との苦渋の選択をした胸の内を露呈した。このコメントから感動した日本人もいれば、批判した人たちもいた。が、松井選手はヤンキースタジアムで初ホームランを「満塁弾」で飾った。オーナーは雄叫びを上げてよろこんでいた…。
あれから、松井選手は「生涯、初めて見る揺れる球と動く球」に悩まされ、ホームランどころか、ヒットさえ打たせてもらえないゲームが続いた。そんな松井選手を見ては、メディアは「ゴロキング」とあだ名した…。トーリ監督さんの助言を聞き入れて、打席で15センチも前に出た。すると、またヒットがでる…。

やがて、手首を骨折し、膝にメスを入れ、まるでケン・グリフィー・ジュニアのようになっていった…。
そして、09年のワールドシリーズ。ヤンキースは久々に制覇し、MVPには松井選手が選ばれた。選手個人として、これ以上の栄光はない。

その後、エンジェルス、アスレチックスと移籍したが打撃機会はヤンキース時代とは違っていた。
ベンチで過ごす試合が増えたのだ。
ところが、である。アスレチックスの監督さんがシーズン途中で変更したとたん、松井選手は先発に復帰する。もうだめかもしれない…と思っていたファンはこの復帰に歓声をあげる。

昨日の「500号」は右翼ポールに激突してのホームランだった。スレスレのホームランとも言える。
だからいいのだ、だから物語を象徴したホームランとしてボクの目には映った…。
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明日から、ヤンキースを相手にニューヨークに迫り出すオークランド。
ボクは松井選手が自分の故郷・ヤンキースタジアムで次なる「501号」は、ジョージ・スタインブレナーのために、「日本からのホームラン」を捧げて欲しいと、勝手な物語を描いている…。

ボクのアパートの壁には、ヤンキースタジアムで購入した「ミッキーマントル500号達成」の写真が飾ってある。いつの日か、その隣には「ヒデキマツイの通算500号達成」の写真が掲げられるのだろう…。
これからも続くホームランはヤンキースタジアムで始まる…。また、あの日の満塁弾のように…。



…NY152…
by mlb5533 | 2011-07-22 15:20 | 第九章