「マネーボール」と松井選手

久々に栃木の実家に戻った。
温泉に2日間通ったら、体重が2キロ減ったが、これは汗が流れただけのことだ。
映画も見た。ブラッドピットの「マネーボール」だ。見る前に映写時間を確かめたら2時間30分程度だ。ずいぶん長い映画、と思ったがあっという間だった。いい映画だった。

実在する人物を映画にする場合、ほとんどが「過去の物語」をアレンジする台本になる。ところがこの物語は、現在活躍中の人物、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャーであるビリー・ビーン氏を題材にした台本だ。ここに興味があった。
現在活躍している人物をまさか美化した物語でもなかろうに…。どうしていま、ビリー・ビーン氏をブラピが主演してまで映画にするのか…と、公開前から興味を持った。しかもアスレチックスは大リーグのチームの中ではボストンほどの人気もないし、話題性もないのに、なぜだろう、と。もうひとつの関心事項は松井選手が所属するチーム、と言うこともあるが。

撮影はドキュメントタッチだったので、映像はあえてハイトーンになっていた。
ところどころ実写も交えている。2002年、つい最近とも言えるが、あの20連勝したときのドラマもいま映画にしてふり返ると、確かにもの凄いゲームだった…。今年のワールドシリーズ第6戦に匹敵するドラマチックなゲームだ。今年の第6戦はもうMLBファンにとって「伝説試合」になったが…。ハミルトンのホームランがフイになるとは…。ボクにとって今年2011年MLBのゲーム、として脳裏から消えることはないだろう。まあ、それはいいとして、映画の話に戻ろう。

大リーグでのGMの立場を知るには実にいい台本になっている。アスレチックスGMのビリー・ビーン氏の立場が鮮明に描かれている。監督以上にチームの勝敗には絶対の責任があると言うことだ。ここは日本の野球界とはずいぶん違っているように感じた。最近、東京のチームで内紛があったが、もしそれと同じ事が大リーグで起こったら、それは大変な醜態。というより、まず起こりえないだろう。なぜなら、責任範囲が明確だからだ。

見終わって、ぞっとした。このビリー・ビーン氏が松井秀喜選手に狙いを定めた、ということ。ビリー・ビーン氏に松井選手は大リーガーとして評価されていたんだ、という現実がボクにはやけにうれしくなり、また同時に、エライところに移籍したモンだ、とも思った。昨年、楽天の岩隈投手がアスレチックスに移籍できなかったが、これは日本球界がもっと大リーグ関係者たちとの人的交流の不足が原因ではなかったのか、とさえ思われる。もっと、相手と話し、お互いを知り合っていたら岩隈選手のような悲劇はなかったはずだろう。大リーグの各選手は確かにひとりひとりが株式会社みたいなものだからこそ、話し合いが必要なのだ。それをよくわかっている人物が、GMの重責を担っている。とくに、ビリー・ビーン氏はボストンから当時最高金額の、5年契約1250万ドルという高額のオファーを受けたが、後に断ったほど、大リーグ業務に徹底した考え方の持ち主。
「二度と金によって人生を左右されまいと心に決めたから」というのが、その理由。

それほど大リーグは選手たちに限らず、「お金」がついて回る世界。かつてビリー・ビーン氏もスタンフォード大学の進学が決まっていたのに、お金で大リーグ入りして危うく人生を棒に振るところだった。
もし、松井選手が来季もアスレチックスと契約したら、それはビリー・ビーン氏との契約を意味するなあ、と感じて、是非そうなって欲しいと思った。とにかく、おもしろい映画と久々に出逢った。暇に任せて、韓国ドラマばかり見ていたが、ハリウッド映画はいいです。

…NY152…
by mlb5533 | 2011-11-16 11:45 | 第九章