「新たなる伝説」を残せ! マー君!

マー君です。
ヤンキース入りが決まった楽天・田中将大投手(25)の超破格契約の報道がボクにとっては、年頭の大型ニュースです。この話題を超えるニュースはいまのところボクには届いていません。おそらく、皆様も同様なのではないでしょうか…。
ヤンキースと7年総額1億5500万ドル(約160億円)の超大型契約を結んだ、とのこと。年俸23億円になる。

んーー、ものすごすぎて、声もでない…。

かつて伊良部投手が1996年、ヤンキースに日本人初の選手契約をしている。その契約金は4年1280万ドルだった。年俸は320万ドル、現在のレートで換算すれば3億2千万円程度になろうか。
丁度その頃、ボクはNYにいたから、日本人選手・伊良部投手とは何者ぞ?? との話題をあちこちから聞こえてきました。ただし、決して清々しい話題ではなかったと記憶しています。
「MLBで一球も投げていない投手なのに、なぜあんな高額契約をするんだ?」とか「大丈夫か? 不思議な選手だこと」とか、NYで仕事をする日本人でさえ、伊良部投手の実力を評価しては居なかった。

米国の民主主義は時間がかかるのが特徴です。条例1つ決定するのに、延々と時を使います。そのいい例が皆様もよくご存じの「犬のフン条例」の始末論。様々な意見が新聞に載る。とにかく時間がかかった。1,2年はかかったかも…。だが、一旦決まると全員が「法を遵守」する。みごとに、です。これが米国の民主的生活なのです。

犬のフンとベースボールと、どんな関係があるのか…。
NYは全米でもとくに「法を守る」人の意見が優先する街。人道主義優先の街、であることに違いないのです。なので、彼らにとって「契約」とは、「法」と見なす生活習慣があります。

伊良部投手の所属したヤンキースは、契約した翌年にワールドシリーズを制覇していますが、伊良部投手は右肘の故障が原因でマウンドに上がることはなかった。ケガでした。しかし、ファンやマスコミはそれを許してはくれなかった…。「法」つまり「契約」どおりの活躍をしない、というわけです。

それから4年後の2003年、伊良部投手がNYを去って(1999年)、松井秀喜選手が日本から太平洋を越えて「夢」をひっさげてNew Yorkにやってきた…。が、NYの人々は松井選手がやがてあれだけの伝説をNYに残す選手だとは誰ひとりとして予想すらしていなかった。彼の行動に関心などあろうはずもない…。

ちょうどその頃のこと。以下は、「実話」です。
NYにともだちがいますが、偶然、松井選手がカフェに入ってきて注文の仕方が判らず話しかけられたそうです。友達は日本人ですが、米国生活が長いので松井選手のことはさっぱり知りません。
「へんな人ねぇ」って、メールで書いてきたので、「その人は日本ではとっても素晴らしい野球選手なんだ。松井秀喜っていうんだ。しかし、彼もこれからニューヨーク生活。いろいろとなじむまでに時間が必要だね」と書いて返信したことを覚えています。

誰だってそうでしょう、慣れない、知らない街でのひとり暮らしって多少の不安や心配はつきもの。偉大なる松井選手でもこの点ばかりは決して例外ではないでしょう。
その人物が7年間で、あれだけNew Yorkの人たちが慕われた事実は、彼が自分自身で「法の遵守」を成し遂げたのだとボクは思ってます。いや、「契約」以上の仕事をした、との拍手をされたのです。

松井選手って、どこか芸人の世界と共通する考え方をする人だあな、と思うときがボクにはあるんです。各マスコミは彼の対応ぶりについて、「どんな状態でも取材をしてくれた」と。マスコミの向こうには「ファン」がいると彼は思っている…とか。

この精神は舞台役者の根性とそっくりです。舞台役者は「観客」を最優先します。公演時間然り、公演回数然り、舞台生活での礼儀作法然り、細かいところでは、椅子の形と大きさ然り、洗面所の状態然り…、とにかく「舞台」に関する事柄は、なんでもかんでも「お客様最優先」です。
自分がこうして生活出来ているのは「お客様」が芝居小屋にお越し下さるからだ、と先達からの言い伝えの如く、たたき込まれます。従って、どんな新作シナリオであろうと「お客様」に喜んでいただけるか否かを思い描きながら、全員で舞台を創っていきます。それが舞台の伝統なのです。「法」であり、芸術作品の「きまり」なのです。でも、若い頃は、「演劇論」だの「シナリオ作法」だの「演劇本芸術論」…と、小難しいことを言いたいものですが、そういう若者は、肝心の舞台にはなかなか上がれません。

「舞台」と「グランド」…共通しています。
「人生の舞台」という言い方と「プレーするグランド」という言い方に、ボクは共通性を感じます。

a0094890_374780.jpg
マー君が「松井選手のようになりたい」とコメントしていました。
もし、公私ともにNew Yorkで成功したければ確かに松井選手の生き方を学ぶべきだと、ボクもそう思います。いわんや、超破格の契約ですから、「法の遵守」の要求は、かなり厳しいと思っていないと…。
ヤンキースの公式サイトでは、早々と投手のローテーションでマー君はサバシア投手の次になっていました。黒田投手は3番目になっています。もちろん、決定はまだまだ先ですが、公式サイトにこう載せているヤンキース球団の姿勢をファンは見逃しません。
「クロダより、上の投手だと??」
と、思われていることでしょう。それだけでも、話題になりますね。

一方、松井選手は2月1日に始まる巨人の宮崎春季キャンプに臨時コーチとして参加する予定になっています。第2次キャンプ地の沖縄・那覇には行かず、同13日には帰京する見込みだそうです。
その後、自宅のあるニューヨークに戻って、ほどなくヤンキースのキャンプ地タンパに向かうということです。ここでマー君は初めて「偉大な先輩」としての「松井選手」と話をすることになるのでしょう。いったい、二人でどんな話をするのか、こっそりと聞いてみたいものです。

マー君はしあわせ者です。
東北の人たちからあんなに慕われて…。それはきっと、恩師・野村監督に対して礼を以て接している姿が東北人の心を掴んだのだろうと思いますし、そして、あれだけの「成果」を残しました。伝統の巨人軍を新興チームである楽天が倒して、日本一にした原動力であることは誰も疑る余地はありません。

東北の人たちが、
「マー君は東北の宝物だ!」
と、云います。

そんな人たちが今季からNHK・BS中継に釘付けになります。松井選手が03年に「満塁ホームラン」を打ったとき、東京のファン達はBSに釘付けだったように。

7年間の契約を「遵守」して欲しいですね。「英語は全然ダメ」だそうですが、やがてはレストランでは困らない程度の会話は直ぐに出来ることでしょう。

松井選手もNYYに結局7年間在籍しました。マー君にも「契約」どおり、ガンバって欲しいです。


…NY152…
by mlb5533 | 2014-01-30 03:07 | 第二部