「夢」ひとつ

大リーグ、ヤンキースの松井秀喜選手がWBC参加を断念した。
それでいいと思ったのは、ボクひとりではないだろう。むしろ、
「WBC参加はお断りすべき」
と、思った野球ファンの方が多かったのではなかろうか…

ここに、おもしろい記事があった。サンスポの記事だ。
ボクたち野球ファンの気持ちを代弁してくれた記事として、いい記念原稿でもある。
全文を載せておこう…


松井秀がWBCへの参加要請を断った。最初から結論があったわけではない。出るべきか、否かと今シーズン後半からずっと頭を悩ませてきた。野球における世界一の価値観を問われ、熟慮し、その答えが辞退という行動に表れた。その大きな理由は、松井の目には最後まで、WBCが真の世界一を争う大会には映らなかったためだ。
 真剣勝負をうたいながらも耳に入ってくるのは“球数制限”など本来はありえない特別ルールの存在。しかも世界一を争う大会に、メジャー随一のスター集団・ヤンキースの主力で、出場に合意したのはデレク・ジーター内野手(31)らわずかに2人だけ。大会直前に辞退するという噂も根強く残っている。サッカーのW杯にレアル・マドリードやチェルシーの選手が出場しなかったら、大会の価値は半減するだろう。
 言葉にしてはいないが、松井の中でのWBCは日米野球のような商業的イベントに等しいのではないか。もし仮に日米野球が3月に開催されたら、果たしてどれだけの選手が参加するだろうか。WBCが真剣勝負よりも商業主義が強い“イベント”と変わりないと感じながらも、主役に祭り上げられて利用されるのは本意ではなかったのだろう。
 イチローや大塚など他のメジャーリーガーが参加を決めたことで「野球人気の復興のためにも松井は出るべきだった」など批判が起こることも予想される。しかし“イベント”で勝つよりも“ガチンコ”で松井が世界一になる方が、日本野球を盛り上げる近道だと私は考える。


この記事を読んだ松井選手ファンのみならず野球を愛する多くの人たちは、賛同の拍手を送ったに違いない。
「夢」はひとつ…。
ワールドチャンピオンリング…ただひとつ、で、いい。それを指にはめて、来シーズン日本に「帰省」する松井選手の笑顔をボクたちは「夢」見ているのだから。

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デーモン選手とて、同じだろう。
ここは日本。一国民族の国家。しかし、アメリカはその歴史が語っている通り、他民族の集合国家である。「自由」を夢見た人たちの、多種民族の国だ。
大リーグは、そう言う人々によって支えられているのが現実である。
プエルトリコにドミニカ共和国、キューバ人などアメリカでもマイノリティーの民族が支えているのだ。

彼らの祖国愛と家族愛、民族的経済環境と異国の生活落差、個人の人生…彼らはその中でベースボールを「仕事」にしている。当然、「USA出身」の選手たちとは、人生の考え方の「根幹」が違っている。今年のドジャースは8カ国の選手がチームを組んでいた。ベンチ内での会話は、英語とは限らないのだ。

彼らは子供の頃自分の祖国で「夢」を見た…
そして、大西洋を渡り、太平洋を越えて、その「夢」を現実にするために米国に発ったのだ。
その戦いがあの、米国大リーグのドラマ、なのである。

「夢」はひとつ…。
ワールドチャンピオンリング…ただひとつ、で、いい。

…NY152…
by mlb5533 | 2005-12-31 14:17 | 第一章