「ヤンキース」と「ガーシュイン」

京都で二泊してきました。
その間、PCに触れることがなかったので、NYYのニュースが気になって。
早速コーヒーを入れて、やっといまYahoo!sportsサイトからNYYの情報を得たところです。気になったのは、下の写真の選手です。
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「んっ? この人だれ?」

誰だと思いますか?
そう、ミンケーピッチ(カタカナで書くとヘンだねぇ)選手です。トレードマークの顎髭がなくなってる!
こんなにいい男だったっけ!? って、言いたくなりませんか。
そう言えば、昨年デーモン選手がNYYに移籍したときも、あの「原始人」をばっさり切って「現代人」に変身しましたね。
ドン・マッティングリーコーチもまた、昨年トレードマークの口ひげをばっさりと。

ヤンキースってチームは「常勝」のほかに、なにかとっても大切なことを忘れずに選手に伝え続けているチームなのかもしれない…。移動中でもスーツを着ているし…。
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ヤンキースって「紳士であること」を各選手に教育していると聞きます。
ボクのような音楽ばかりやってきた「文化系」の人間にしてみると、「体育会系」の人たちはどこか汗くさいし、モッサリしていて、ダボダボした恰好をしている…と、思いがちです。彼等がスーツを着ても、小首をひねりたくなるような、あたかも「業界関係者」と間違えそうな着方をしている人も見かけました。
まあ、近寄りたくない…と。コワイ感じの人たちが群がっている、と。

ヤンキースの選手たちは試合に「勝つこと」の裏側に、「チーム力」「結束力」なるものを感じます。
個人が好き勝手に振る舞う自由さではなく、「チームが勝利する」ために自分に何が出来るか、を考えられる選手が集まっているのではないだろうか、と。個人的な主義主張はいったん棚に上げよう。
エゴイズムはいったん、コッカーに仕舞え! という教育がなされているような気がします。

髭だめ、ボサボサヘアーだめ…という禁止令のようにボクたちには聞こえてきますが、禁止令ではなくて、個人の趣味はグランドに持ってくるな! そんなことより、チーム力を優先しようぜ! という前向きな姿勢をボクは感じてしまいます。誰からも安心される「紳士でいよう」とする姿勢を感じるのです。まあ、そこがボクのヤンキースが大好きな理由のひとつでもありますが…。

強制されたから髭を剃ったのではなくて、「チームのため」に働こうという自己意志のあらわれとして、そしてその「ルール」に合意して、自分から散髪屋さんに行ったはずです。自己主張を続けたい選手には、ヤンキースというチームほど居心地の悪いチームはないでしょう。

ヤンキース。彼等が着用しているユニフォームはまさに彼等の「誇り」でしょう。「チームのために」を伝統にしているということが。ヤンキースの行くところ、ベースボールという単なる「体育会系」のプレーではありません。大袈裟に言えば、「社会性」であり、文化史であり、アメリカ文化の歴史観でもある気がしてきます。それは、ガーシュインはじめ多くの音楽家やダンサーたちがミュージカルの舞台を支えているブロードウェイ魂とも重なっているようにも思われます。

日本のプロ野球チームもこんなチームがひとつでもあればいいのですが…。

京都では、知り合いの住職さんにご挨拶してきました。ボクのような俗っぽい人間に仏も神もあったものではないけれど、この住職さん、いつもボクのことを冷やかします。
「Masami は面白いヤツだから、しばらく寺にいろよ」って。
ご勘弁のほどを。この世で力いっぱい生きていたいので…。

帰りの新幹線の中で、松井秀喜選手「不動心」を読んできました。松井選手には一度も会ったこともないのに、なんだか、松井選手のあの「声」が聞こえてくるようでした。登場人物に対して、気配りした表現に、ボクは改めて彼の人柄を感じました…。さわやかな読後感でしたね。
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by mlb5533 | 2007-02-22 02:32 | 第一章