「51」に贈ります …ボクたちの拍手が聞こえますか?

今日の試合から、アメリカのメディアはリベラ投手の記事をたくさん書くことでしょう。
8回から2イニングも投げきったこと。トーリ監督の危機感…。A・ロッド選手の不振とチーム事情…。そして、おまけは何年ぶりかの「打者リベラ」など、写真入りで報じることでしょう…
今日の朝刊トップの「リベラ投手」の姿が目に浮かびます。

でも、もしボクが米国メディアの記者だったとしたら、きっと
バーニー選手を書きまくっていたことでしょう!

さて、
3連敗のイヤな余韻が漂ったのは、7回の攻撃でした…

6回まで、
PHI5-NYY4
先発ムッシーナ投手が初回に3点を許して、NYYの試合運びは後手にまわっている。
それでも、4回までに3点を取り返して同点にしたがその裏PHIに2点加点され、あっさり逆転。
6回に1点。これで、5-5。

問題は7回だ。
デーモン選手、ジータ選手が塁を埋めていたのだが、ジョンビ選手がフライアウト。この日も絶不調のA・ロッド選手が久々にヒットして、デーモン選手が得点。ジータ選手は、2塁に残った。
ここで1本! いつものヤンキースなら簡単なのだが、ポサーダ選手は三振…。
その7回裏、この日のあたり屋ホワード選手にまた2点タイムリーの3塁打を打たれて、7-5。
PHIの7得点はすべてホワード選手のバットからだ。

さてさて、8回のNYY。
打順は、この日7番に入っていたバーニー選手からだったが、相手のエラーから1塁。その後には職人カイロ選手が粘った末、四球を選んだ。9番カブレラ選手が、クリーンヒットして、バーニー選手が生還。
6-7で、あと1点…
1,3塁が埋まったところで、デーモン選手の登場。センターを深々と破った3塁打!
2が生還して、8-7の逆転! さらに、続くジータ選手もヒット。デーモン選手が還って、9-7!

そして、びっくりでした!
なんとなんと、トーリ監督は8回裏からリベラ投手をマウンドに送り込んだのです!
9回にはリベラ投手が打席に立つという「おまけ」までついた本日の試合は、結局
9-7
のまま、試合終了。

この試合で目立ったのは、誰が見てもジョンビ選手の連日の本塁打でしょう。

でもボクはこの人の活躍をみんなに知らせたい…。
そうです、我がヤンキースの打撃の神様、バーニー選手です。
8回のビッグイニングは、彼の出塁がきっかけでしたし、この日の初打点もバーニー選手のバットからでした。目立っていなかったけれど、今日の試合はバーニー選手が勝たせてくた、と思っています。

「クリーンナップ」…きれいにお掃除する…です。
塁上にいる選手を、自分のバットでホームに戻す打者のことを、ここいう言い方で表現をします。
アメリカのメディアが使った野球用語です。

日本では、3、4、5番打者をこういう言い方をしていますが、本来は、「たったひとりの打者」を指します。
大リーグでは、その役目は4番打者が担っているチームが多いようです。チームによっては、5番打者をクリーンナップとしている場合もあります。例えば、サンフランシスコがそれです。ボンズ選手をあえて4番に据えて、大量点をねらっているのですが、その後の処理を5番打者に任せる場合もあります。
目下ヤンキースは、その役目を4番A・ロッド選手がこの役目になっているわけですが…最近は、ちと、不調です。

従って、大リーグの4番打者の概念と、日本の野球とは意味が違っています。
大きな安打、本塁打はいりません。それよりも、確実にヒットしてくれる打者がこの打席に座ります。それが大リーグの戦いぶりなのです。

例えば、その昔。巨人軍には、王選手と長嶋選手の二枚看板の大スターがいました。
3番王、4番長嶋で何度日本シリーズを制したことでしょうか!
この打線の組み方は、大リーグの観点から見れば、実に正しい打順なのです。
王選手が本塁打を打って大量点を得るか、それとも長嶋選手が「クリーンナップ」してくれるか…という試合運びがファンをしびれさせたわけです。これでは、相手チームの投手はたまりませんね。気を抜けません…

「51」に贈ります …ボクたちの拍手が聞こえますか?_a0094890_563826.gifヤンキースの4番打者といえば、そう、やっぱり…
ボクには、この人、バーニー選手。

背番号51。現在打率は.294。
69試合消化しましたが、バーニー選手は62試合に出場しています。
ヤンキースのWシリーズ3連覇は、誰もがバーニー選手の活躍抜きにはあり得なかったことを知っています。

この日、5打数5安打、打点1。
静かに、打席に立って、膝をバネのように使うバーニー選手の打法はまるで全身がバネのようなしなやかささえ感じます。誰ひとりとして、彼の打法を真似られる選手はいません。

昨年、膝の故障から打率は一気に下降しましたが、今季のバーニー選手は明らかに違っています。
この勢いで打ち続けたら、今シーズン、イチロー選手はもうひとりの「51」、いや、元祖「51」と対戦しなければならなくなるでしょう…ボクは最近の試合運びを見ていて、バーニー選手の快復が本物だと言うことを感じています。62試合に出ている…の、ですから。
昨年、希望が薄れたかと思ったファンたちはたくさんいました。バーニー選手の凡打のたびに、スタンドから聞き漏れるため息が…
しかし、今年は違っています! 間違えない! この元気さは! 怪我を克服した名選手です!

ボクはこの場から立ち上がり、太平洋を越えて、バーニー選手に力いっぱいの「拍手」を贈ります。

「51」の対決。
元祖と新星… ボクはそんな「夢」も見たくなってきました。

(コラージュは筆者の制作)
…NY152…
by mlb5533 | 2006-06-21 19:44 | 第二章