矛盾だらけの中で「希望」を見た

NHKBSの録画中継を見る余裕などなく、PCをオン! サイトが立ち上がるまでがもどかしい…。

立ち上がるまでの時間、いつものようにFAIRWAYで購入したフレーバーコーヒーをおとす。出来上がるまで、冷たい水で洗顔だ。冷たい水がボクの意識を覚醒させる。タオルで顔を拭いて、NYYのマグにフレッシュなコーヒーを注ぎ、PCの前に座る。
さあ、一番気になるサイトは…。

NYY3-4DET

僅か、1点差で勝敗が分かれた。慌てる。気になるから、ボックススコアにアクセスして、自分なりに流れを読む。
松井選手は4打数3安打、1得点を記録していた。
この得点は? 記録を追いかける…。4回裏、1番打者デーモン選手の3ランに繋げたんだ! と知ると、なんだか誇らしい気になってきた。
しかし、NYYの得点は「3点」のみ。このデーモン選手の3ランで、その後の追加点がなかった。

主軸は? 3番アブレイユ選手1安打 4番シェフィールド選手2三振 5番ジョンビ選手2三振 6番A・ロッド選手3三振… これではっきりする。デトロイトの投手がスゴイってことだった。

そのスゴイ投手陣を相手に、3安打した松井選手の踏ん張りが美しくもまた、心痛い。
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ベースボールとはなんだったのか? その原点をボクに教えてくれた試合だった、と思った。
ベースボールは点取り合戦。要は、ルールに沿って「得点」を多く獲ったチームが勝つ。単純な話だ。打者たちは点を取りに行く。投手は点を与えない。この矛盾がベースボールの醍醐味だった。

チーム内でひとり、気を吐いても、チームが勝利にはつながらない。それが、ベースボール。

確かに、ボックススコアだけ見れば、4-3の松井選手が大活躍してくれたことはうれしいが、松井選手だけ気を吐いても、他が沈黙したら…。
ボクが望むNYYの試合は、松井選手が打って、そしてチームが勝つことか? いやいや、そうではない。NYYが勝った試合に松井選手が大活躍していたんだ、という物語を望んでいる。
「マツイが打ったんだからいいじゃないか!」
と言うような、マツイファンではない。
ボクは恐縮だが、そのようなマツイ信者、ではないことをここに記しておきます。

松井選手がなんのために巨人軍4番打者の看板を捨ててまで太平洋を渡ったのか? なぜ、NYYに入団したのか? 彼の「夢」の原点はなんだったか? 自分さえ活躍して、目立っていれば満足…か?

ボクは、違うと思う。
ニューヨーク5アベニューかパークアベニューか…この道を、NYYの仲間たちと凱旋パレードをしたいはずだと、ボクは思っている。青空の下、舞い散る紙吹雪を浴びたい、と…。
NYYのみんな、とともに!
その「夢」に、ボクは乗ったのだ。そして、共通の「夢」を持つ人たちがこんなに多かったことも、このブログを書いて、知りました。
今日は松井選手が豪腕バーランダー投手を打って、デーモン選手の3ランホームランに繋いだ、という物語で終わってしまった。この本塁打で一旦は逆転しているが、それまでだった。

あとは、この試合に勝利した「デトロイトの物語」を読み、そして聞くことになる…。

ボクはNYYのファンだ。正直、相手チームの「物語」を聞く気にはなれない。心が狭いと言われてもいい。今日は相手チームの勝った物語を散々聞くことになるだろうけれど、それよりボクはなぜNYYが今日の試合を落としたのか、「負けた物語」を聞きたい。そして、それを明日の試合に繋げて欲しい…。
で、して欲しくないことがある。それは、個人攻撃だ。
「アイツのせいで負けた」という論調が得意だが、そうだろうか。チームが負けた、のだ。
A・ロッド選手への厳しい論調が目立っている。確かに、記録上ではお世辞にも、それでいいですよ、なんて言えたものではない。カノー君も大変だ。シェフィールド選手も…。
でも、彼等がわかっている。彼等の「夢」をご存じだろうか? A・ロッド選手もシェフィールド選手も、ジョンビ選手、そしてカノー君も、みんな共通の「夢」を抱いて自分の持ち分をはっきしている、ということを。

個人攻撃は「夢」を疑っていることになる。
ただ、イライラはしますよ。或いは「あ~~、そこでエラーすんのかぁ」「もうぉ~」「三振! なんで打てねぇの」とその場その場で罵声は出ます。それをしたいのです、ボクは。でも、したくない、試合後に個人を責めるのは…。

ベースボールの不思議さは、「明日また試合がある」「来季へ」という言葉があることだ。
一日の試合結果はそれまでだが、今日の続きがまだ残っている。
そう、「希望」があるって言うことだ。なんだか、ベースボールって人生みたいだ。間違えても、次には訂正できる。「希望」がある、から。
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そんな「希望」を見せてくれる監督のことを、きっと名監督というのだろう。
NYYのトーリ監督とDETのリーランド監督はともにキァッチァーだった。2003年、トーリ監督はリーランド監督にワールドシリーズで敗れている。NYYのポサーダ捕手とDETのI・ロドリゲス捕手は大リーグを代表する名捕手の現役だ。2003年、ポサーダ捕手はI・ロドリゲス捕手にワールドシリーズで敗れた…。NYYとDETの「10月決戦」の「物語」は、完全な「捕手対決」といえる。
音楽だと「ソナタ形式」ってことになる…。
そして、今日。ポサーダ捕手が打席に立ったとき、豪腕バーランダー投手の投げる球を粘りに粘っている。3打席で、30球以上投げさせている。そして、2つの四球を獲った。これもまた、捕手的チームプレーに思われた。松井選手が安打して1塁へ、ポサーダ捕手が粘って四球。一塁、二塁になったところでデーモン選手の本塁打。3ランは「チーム」で創ったといえる。
さらにまた、ポサーダ捕手は好打者でもあるI・ロドリゲス捕手に対して、いままで8打数2奪三振とまだ1本たりともヒットを許してはいない。そして本人ポサーダ捕手は、今日までの2試合で、6打数3安打。2四球を加えると出塁率は.625と絶好調だ。

NYYは、2003年の時のように同じ過ちを繰り返すのか、それとも「形式」を無視できる試合運びが出来るのか。

今日の試合で、その「形式」に異変を起こした。それをやったのが、NYYトーリ監督だ。
ブルーニー投手の起用である。
9回表4-3、1点のビハインド。攻撃は9回裏しかない。1点たりともDETに加点させるわけにはいかないという緊張した場面だった。その場面で起用したのが、ブルーニー投手。まだ24歳で、NYYのメンバーから見れば新人だ。その投手をトーリ監督は起用したのである。ブルーニー投手は監督の期待通り、2奪三振の好投で締めくくって、9回裏に望みを繋げてくれた。

ブルーニー投手。2004年にアリゾナダイヤモンドバックスで大リーグデビュー。今季NYYに移籍した。19ゲームに登板して、防御率0.87! こんなにスゴイ投手を温存していた…。トーリ監督のマジックだ。おそらく、DETではブルーニー投手のデータはさほどあるまい。そして、NYYファンでさえブルーニー投手に馴染みはなかったろう。今日、見事な投球結果ではないか。
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明日も試合がある。
打って勝つか、守って勝つか…この矛盾したゲーム「ベースボール」に、ボクはNYYの打線が「打って勝つ」を選びます。そんな「夢」を見させてください。

…NY152…
by mlb5533 | 2006-10-06 17:55 | 第三章