「チーム」の美しさ

一昨日だった…

仕事先からこの部屋に戻ってきたのは、夜9時頃。予定した時間より早く戻ってきた…。
堅苦しいスーツから柔らかいスエットに着替え、コーヒーを入れていたらベルが鳴った。
誰か来たようだ。誰だろう…。

a0094890_2384829.gifホテルマンのエイジ君とエンジニアのカッパ君たち10数人が食事を持ってきた。みんなで夕食を食べようという企画だ。土曜日だったのだが、それぞれ仕事があり、丁度みんなの「遅い夕食時間」がうまく重なったようだ。ボクは、セントルイスの試合結果が気になっていたから、持ち込まれたご馳走を食べながら、みんなでこの試合を見ようということになった…。

カッパ君は、昔から「田口選手」のファンで、「見ましょうよ、試合を」とワクワクした顔で言う。どうやら、カッパ君はこの段階では、まだ試合結果を聞かされていなかったようだ。むろん、ボクも、である。ここにいる仲間たちの中には、この日の試合結果を知っている人もいたが、

「結果は言うな!」

の、合い言葉で録画を見ることになった。

すると、「ハイ、これ…」そう言ってカヨちゃんがDVDを差し出した。このアパートから徒歩3分の距離に住むトオル君の奥さん。トオル君は、東大出身の会計士でボクと出逢った頃は堅物だったが、みんなとかかわっていくうちに、その性格は軟化し、ボクたちの友だちであるカヨちゃんと結婚した。
そのトオル君が今日の試合をDVDに焼き込んでおいてくれた。それをカヨちゃんが持参してくれた。
「あっあ~~」
カッパ君が奇声ををあげた! 「うるさい! では、いくぞぉ!! 結果は言うな!」

すでに夜10時を過ぎているのに、部屋の雰囲気はすっかりスタジアム。
とくに田口選手が打席に立つと、やかましい…。第2打席でセンターに抜けるヒットを打ったときは、カッパ君は気絶でもするのか、と思うほど両手を握りめたまま、Freezeしていた。

a0094890_2392255.gif田口選手が8番左翼で先発したカージナルスは、1点を追う四回だった。モリーナ捕手、田口選手の連続安打で一死一、二塁とした。続くウィーバーの送りバントを処理しようとした投手が三塁へ悪送球し、これを同点とした。さらに、続く一死二、三塁で、エクスタイン選手の内野ゴロの間に田口選手がホームを踏み、勝ち越し。七回にも1点を加え、継投でタイガースの追撃を抑えて、4-2で競り勝った。

シリーズ最優秀選手(MVP)にはエクスタイン選手が選ばれた。

明日も仕事で早く起きなければならないが、そんなことは忘れて結局、試合後のインタビューまで録画されてた全部を見てしまった…。


誰でもそうだが、人は勝ちゲームに身を置きたいのだ。勝つ-うまくいった…試合に身を置き、あたかも自分の人生がそうであるように…。
田口選手は、そんな意味でもサラリーマンたちの「ヒーロー」になった。田口選手を賞賛する記事のタイトルは「忍耐」「我慢」「下積み」「報われた勝利」などの文字が目立つ。確かに、そうだ。
このあたりの彼のドラマが、大勢のサラリーマンたちの人生に共感を得た要因でもあろう。日頃、スター選手の影に隠れて、メディアの相手にもされなかったエクスタイン選手が今シーズンのワールドシリーズでは、MVPを獲得している。素敵な物語だと思う…。

ベースボールの魅力は? と、人に訊かれたらボクはこう答える。
「チームプレーだ」
と。ともに勝つ…みんながうまくいった物語、それがベースボールだ、と…。


帰りがけに、エイジ君が「ハイ これ」そう言ってボクにお土産をくれた。
開けてみると、それは来年の「Yankees Calendar」だ。
2007年8月に松井選手がいた。堂々として、打席に立つ松井選手がいる。
ボクの「夢」がここに映し出されていた…。
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…NY152…
by mlb5533 | 2006-10-30 12:00 | 第三章