ドジャース1勝の立役者

とにかくドジャースがようやく1勝をあげて、フィリーズとの対戦成績を1勝2敗にした。

この試合、黒田投手の3回「ケンカ投法」とメディアは書き立て、地元ロスでは絶賛していたようだ。
ただ、元来黒田投手の投球は、内角外角の「出し入れ」が特徴。3回のビクトリーノ選手へ投げた球が「故意」とは見えない。確かに頭の上を通過したのだから、結果だけ見れば危険球であり、「退場」と言われる可能性もあった。審判団は「警告試合」と両軍に厳重な注意を与え、試合は続行した。
結果は、7-2だった。

a0094890_112749.jpgドジャー・スタジアム史上最多を記録した5万6800人の観衆は、7回途中で交代した黒田投手に惜しみない拍手を送っていた。この1勝はドジャースにとっても、優勝経験もない「無名の投手」・黒田投手個人にとっても、意義ある1勝だったことだろう…。

この試合での話題はもっぱら「3回の攻防」だが、ボクを釘付けにしたのは、ガルシアパーラ選手の先発出場だった。
04年、「バンビーノの呪い」をはね除けてボストンレッドソックスはワールドシリーズを制覇する…。

しかし、ガルシアパーラ選手はいなかった。この年、シカゴカブスにトレードされている。




それまでレッドソックスの遊撃手は、ガルシアパーラ選手に決まっていた…。ヤンキースのジータ選手、バーニー選手同様、大リーグファンたちの人気を二分していた選手。
1996年から2004年までの9シーズン、ボストンの生え抜きである。あのときトレードがなかったとしたら…。その後のガルシアパーラ選手は話題に上らなかった。
その彼がリーグ優勝を賭けた第3戦に、5番1塁手で先発している…。3打数2安打、打点1をあげた。
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トーリ監督は、彼の能力を知り尽くしていた。対戦した相手だったからだ。そして今季途中、レッドソックスの主砲・ラミネス選手がドジャースに移籍してきた。

「優勝」という立場にどんな意味があるのか、ボクにはほんとうのことはわからない…。
しかし、時差のある米国で日々移動を繰り返しながらプレーする男たちがこの二文字に全人生を賭けていることは知っている。それは個人の力では到底手に出来ない代物であることも、ボクは知っている。チーム…。仲間たちとともに、一緒になってそれを目指さない限り、手に出来ない。
ベースボールとは、そういうスポーツであることをボクは彼らを見てきたことで知っている…。

トーリ監督、ガルシアパーラ選手、ラミネス選手、そして太平洋を渡ってきた黒田投手…。
彼らに「この二文字」を手にさせたい…と、思うのだがそう簡単ではあるまい。

そう言えば、「あの3回」のことだった。
黒田投手が1塁のビクトリーノ選手となにやらゴチャゴチャしたとき、ガルシアパーラ選手が黒田投手をなだめるように、マウンドに向かうように、後押ししていた。
「くだらんことに気を遣うな! さっさと、自分の仕事をしろ!」
と、言わんばかりに黒田投手を制していた姿に、さすがは大リーグの大先輩、と感心した。
若い黒田投手(ルーキーだが、33歳)とは、貫禄が違いすぎた。
「見落とすな、いまの自分の立場を」と、ガルシアパーラ選手が黒田投手に学ばせていたようにも映った…。黒田投手はいま光の中にいる選手だ。一方、そんな投手を支えたのは、ガルシアパーラ選手のような「すべてをわかっている」大先輩選手だろう。この1勝の立役者は、ふたりだったなあ、とボクは思えてならない。

スター選手から苦労人の人生に切り替えたガルシアパーラ選手。
こういう選手たちが、いま「10月決戦」のど真ん中で、闘っている…。
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by mlb5533 | 2008-10-14 11:06 | 第六章