明日へ

さあ、明日から紅白戦です。3月に入れば、オープン戦。
今季は話題が尽きません、ねぇ。
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王建民投手と井川慶投手の「オリエントコンビ」が今季ヤンキースの話題をさらうことになるでしょう。
そして、松井秀喜選手はヤンキース入団以来の自己最高の本塁打数を記録することになるでしょう。
いや、本塁打だけではありません。大リーグでの全成績は自己最高の数字を残す年になるでしょう。

ヤンキースよ、今季「環光」に輝け!


そうそう、ボストンの投手でボクは個人的に気になっていた投手がいました。
デビット ポーリー投手です。
いました、いました。松坂投手ばかり話題をさらっていますが、下記の写真の左がポーリー投手です。少し、ピントが合ってないのが残念。
ずいぶん大きくなりましたねぇ…。ボクは個人的に、ポーリー投手とヤンキース打線の勝負がまた見たいです。

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…NY152…
by mlb5533 | 2007-02-28 05:31 | 第一章

京都で二泊してきました。
その間、PCに触れることがなかったので、NYYのニュースが気になって。
早速コーヒーを入れて、やっといまYahoo!sportsサイトからNYYの情報を得たところです。気になったのは、下の写真の選手です。
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「んっ? この人だれ?」

誰だと思いますか?
そう、ミンケーピッチ(カタカナで書くとヘンだねぇ)選手です。トレードマークの顎髭がなくなってる!
こんなにいい男だったっけ!? って、言いたくなりませんか。
そう言えば、昨年デーモン選手がNYYに移籍したときも、あの「原始人」をばっさり切って「現代人」に変身しましたね。
ドン・マッティングリーコーチもまた、昨年トレードマークの口ひげをばっさりと。

ヤンキースってチームは「常勝」のほかに、なにかとっても大切なことを忘れずに選手に伝え続けているチームなのかもしれない…。移動中でもスーツを着ているし…。
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ヤンキースって「紳士であること」を各選手に教育していると聞きます。
ボクのような音楽ばかりやってきた「文化系」の人間にしてみると、「体育会系」の人たちはどこか汗くさいし、モッサリしていて、ダボダボした恰好をしている…と、思いがちです。彼等がスーツを着ても、小首をひねりたくなるような、あたかも「業界関係者」と間違えそうな着方をしている人も見かけました。
まあ、近寄りたくない…と。コワイ感じの人たちが群がっている、と。

ヤンキースの選手たちは試合に「勝つこと」の裏側に、「チーム力」「結束力」なるものを感じます。
個人が好き勝手に振る舞う自由さではなく、「チームが勝利する」ために自分に何が出来るか、を考えられる選手が集まっているのではないだろうか、と。個人的な主義主張はいったん棚に上げよう。
エゴイズムはいったん、コッカーに仕舞え! という教育がなされているような気がします。

髭だめ、ボサボサヘアーだめ…という禁止令のようにボクたちには聞こえてきますが、禁止令ではなくて、個人の趣味はグランドに持ってくるな! そんなことより、チーム力を優先しようぜ! という前向きな姿勢をボクは感じてしまいます。誰からも安心される「紳士でいよう」とする姿勢を感じるのです。まあ、そこがボクのヤンキースが大好きな理由のひとつでもありますが…。

強制されたから髭を剃ったのではなくて、「チームのため」に働こうという自己意志のあらわれとして、そしてその「ルール」に合意して、自分から散髪屋さんに行ったはずです。自己主張を続けたい選手には、ヤンキースというチームほど居心地の悪いチームはないでしょう。

ヤンキース。彼等が着用しているユニフォームはまさに彼等の「誇り」でしょう。「チームのために」を伝統にしているということが。ヤンキースの行くところ、ベースボールという単なる「体育会系」のプレーではありません。大袈裟に言えば、「社会性」であり、文化史であり、アメリカ文化の歴史観でもある気がしてきます。それは、ガーシュインはじめ多くの音楽家やダンサーたちがミュージカルの舞台を支えているブロードウェイ魂とも重なっているようにも思われます。

日本のプロ野球チームもこんなチームがひとつでもあればいいのですが…。

京都では、知り合いの住職さんにご挨拶してきました。ボクのような俗っぽい人間に仏も神もあったものではないけれど、この住職さん、いつもボクのことを冷やかします。
「Masami は面白いヤツだから、しばらく寺にいろよ」って。
ご勘弁のほどを。この世で力いっぱい生きていたいので…。

帰りの新幹線の中で、松井秀喜選手「不動心」を読んできました。松井選手には一度も会ったこともないのに、なんだか、松井選手のあの「声」が聞こえてくるようでした。登場人物に対して、気配りした表現に、ボクは改めて彼の人柄を感じました…。さわやかな読後感でしたね。
…NT152…
by mlb5533 | 2007-02-22 02:32 | 第一章

君はひとりじゃない…

ボクの通った小学校は渋谷駅から徒歩10分程度の距離にあった。
現在、その小学校は跡形もない。壊された跡地には、東急デパート本店と渋谷文化村が出来た。

渋谷の繁華街近くにあったから、様々な生活環境の違った子供たちが通学していたものだ。
恋文横町にあった「餃子屋」の女の子、「衣料品店」の息子。円山町の「下駄屋」のお嬢さんに、「芸子さん」の娘に息子。松涛町からは「銀行」の息子、宇田川町からはボクのような「土建業」の息子に、「会社員」の娘たち…。丘の上にあった「白い教会」から娘たちが…、「易者」の兄妹…、それに「美容室」の息子…など。様々な生活環境の違った子供たちが、ボクの小学校には通っていたものだった。

小学校4年の頃だったか、授業がすむと、子供たちは示し合わせたようにあちらこちらから各人の自転車に乗って、駒場まで走り抜ける。途中、松涛町の坂をあがることになるのだが、この坂道がキツかった。そんな思いをしてまでやりたかったのは、野球、である。場所は、東大グランド、だ。

野球と言っても、ソフトボールである。軟球でもなければ、いわんや硬球でもない。
ボクはよく、ピッチャーをさせられた。下から投げる、アレである。
三振という高等なルールがない。とにかく、打者に打たせてあげるのがピッチャーの役割だったから
「いい球」とは、打ちやすい球、を言う。バットを振り回しても、なかなか当たらないような球を投げると「誰か、変われよ!」と文句を言われる…。

a0094890_1623538.gif女の子たちも参加していた。スカートの裾をパンツの中にしまい込んで、彼女たちはバットを振り回す。もの凄くよく打つ女の子がいたが、彼女は大きくなって選んだ大学は日体大だった。…2年生の時、難病にかかって病死した。彼女は、野球も水泳も群を抜いて上手だった。「貸本屋」の娘さんだった。

「畳屋」の息子は、かけっこが速い。だから、運動会ではいつもクラス代表のリレーの選手として、先生に指名される。4人チームで走るのだが、この息子は毎年アンカーを走った。鉄棒も滅法上手で、5年生なのに、大車輪をやってのけた。…しかし、グローブと自転車を持っていなかった。ボクは放課後、自転車でこの息子の家に寄る。「東大で野球しようよ!」そう言って、誘う。この息子がボクを後ろに乗せて、松涛町の坂道を一気に登ってくれた。それがボクには気持ちいい。「すげぇ~~、一気じゃん!」
でも、「銀行」の息子と「歯医者」の息子は、なぜかこの息子を仲間に入れない。「グローブないヤツは、あぶない」というのが、その理由だった。アッタマにくる、こいつら! しかし、残念なことに勉学の成績は畳屋の息子は下の下で、嫌みな奴らは、上の上。
だから、ボクは「ピッチャー、やらせろよ。いい球投げるから、さッ」
結局、「銀行」と「歯医者」の息子たちは、「畳屋」の息子の投げる速い球に全くバットがあたらず仕舞い、…だった。

日が暮れて、また東大グランドへ…。
ひとつのことを、みんなでやってみる。その楽しさは、ボクの場合は子供の頃に培われていた…。

「畳屋」の息子は、中学なったとき、どこかに引っ越しして渋谷からいなくなった…。


松井選手が、最近、日本の小学生たちに「メッセージ」を送った。
「君はひとりじゃない」と。「愛されているんだよ」とも、語っている。
そして、アメリカにいる子供たちには、「今度は優勝報告で来られるといいね」とも伝えてきたという。
松井秀喜。子供たちにとっては「ヒーロー」。自分の部屋に「松井選手」のポスターを飾っている少年だっていることだろう。その「ヒーロー」がいま、現実に自分の目の前にいて、語りかけている。

もし、ボクがあの頃、目の前に「長嶋茂雄」がいて、語りかけてくれたら…きっと、一生の想い出になったことだろう。
松井選手は、子供たちと写真を撮ったり、握手したり、質問に答えたり…と。松井選手のひとつひとつの「言葉」が、そこにいた子供たちには、「一生の宝物」として記憶に残ったに違いない。

子供たちに「お礼」を言う松井選手の姿がボクには、自分の子供時代を思い返してくれた…。
そして、現実に松井選手の「ナマの言葉」に触れた子供たちは、彼の姿を「永遠」にしたことだろう。こういうことを率先して実行する松井秀喜選手に、ボクはまた一層親近感が増してくる…。

野球の時代… こんな言い方は、もはや古めかしい言葉になってしまったのか…。

「野球」という言葉を聞くと、ボクは渋谷の夕焼け色が浮かんでくる…。
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…NY152…
by mlb5533 | 2006-11-12 04:45 | 第一章

オガチャン様
TBって、trackbackのことでしょ? やめた訳じゃないんです。あれを入れていると、ヘンな…というか、結構コワイPRサイトが入り込んで、いちいち削除するのが億劫になったのですよ。で、trackbackは、つけなくしました。ご迷惑をかけました…。

ボクは純粋に松坂投手のファンですよ。彼の恰好は、失礼だけど「マメタンク君」みたいじゃないですか。コロっとした体型に愛嬌を感じます。野球帽をハスにかぶって、ニヤッと笑って、ペロッと舌を出す…とくに、本塁打なんか打たれちゃったりすると…。ああいう「野球少年」そのままの姿は見ていて、可笑しいですよ。愛嬌がありますよね。かつて、巨人軍の長嶋さんがトンネルすると、右手を挙げて「ワリィワリィ~~」と、投手に向かって謝ったと言いますが、これもご愛嬌。しかし、ファンはそんな長嶋さんに「チョーサン! しっかりせんかい!」と、スタンドからガツンと言われたとか…。いい話だなあって、ボクは思います…。

なんていうか、余裕すら感じますから。ファンと選手が一体になって、「おらがチーム」を応援した時代がボクには、日本人の故郷、すら感じます。

ボクが言いたいのは、松坂投手の批判ではありません。「日本のメディア」のことです。
松坂投手をネタにして、直接取材をしないまま、勝手にMLBがどうした、争奪戦だから「値を上げろ」だの、という憶測と手短すぎる分析の報じ方、に疑問を感じるのですよ。あんな書き方してたら、ボクやオガチャンみたいな「ベースボールキチガイ」ですら、いい気持ちがしません。
第一、松坂投手をよく知らない人たちには「この子、何様のつもり!」って、声が上がるのは無理からぬ話になっちゃう。これから野球ファンになるかもしれない人たちや、大リーグに関心を持ち始めた人たちの心を、こんな報じ方をしたら、毛嫌いされちゃうのでは? 逆効果にはならないか? ということです。

松坂投手に、
「ボクがなぜ日本球界を去ってMLBに参加したか、ボクの気持ちを聞いてください」
というチャンスさえ、与えていない。
「松坂よ! お前はどこのチームで投げたいか? そして、その理由は?」
と、松坂投手の胸にしまってある「夢」を聞いてあげない…。或いは、松坂投手自身が日本のメディアに「本音」を言えないとしたら、それもまた日本のメディアに対して「困った関係」とも言えます。
で、報じていることは、「お金の話」。

もう少し、「日本のメディア」は野球ファンの気持ちを考えて欲しいものです…。という訳で、この記事を書きました。

ボクの「夢」はね、オガチャン、聞いてよ!
王建民と松坂投手が「オリエントコンビ」になって、レッドソックスをSweepしちゃうこと! 赤い靴下さん、ごめんなさいよぉ~。オルティーズ選手をキリキリ舞いさせちゃうこと! 
打たせて捕る王建民と、バッタバッタと三振を獲る松坂投手はいいコンビになるって…。想像しただけでも、胸が熱くなりますぞ、こりぁあ。我がヤンキース100年の歴史上「オリエント投手」がエース、なんて時代はなかった! もし、松坂投手がヤンキースのユニフォームを着られたとしたらですよ、YankeeStadium の雰囲気がホントに世界的ムードになってくる…。
素晴らしい「夢」じゃない!? これって…。 オガチャン、どう思います? 

そして…そして、松坂投手が大リーグ「ヤンキースタジアム」で初めて1勝出来た日、松井選手が笑って近寄ってあげて、マメタンク君の頭を撫でる…なんて光景…いかがでしょうか?

そんなファンたちの「夢」を膨らませてくれる報道が、現在のメディアから感じられないのですよ、残念です、ボクは…。
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by mlb5533 | 2006-11-08 12:16 | 第一章

「宝物」イコール「高額」と連想する人たちは、確かにいる。
ダイヤモンドなどの宝石や古物品に金銀財宝…などを「宝物」という人たちはいる。

日本の宝、という言い方や書き方をされるとボクは「国宝」を連想してしまう。日本の文化的芸術品であったり、歴史的な文献や造形物を想う。日本の「宝」である。
日本の宝物は、たとえ他国のコレクターたちが「高額」の値踏みがあっても、取引できるものではあるまい。更に言えば、「お金」で「換算」できないものであろう…。
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気になっているのは、最近の松坂投手の報じ方である。
日本のメディアによれば、松坂投手は日本球界の「至宝」…らしい。くどいようだが、日本のメディアによれば、である。従ってその価値は、「高額」に値するのだ、と言わんばかりの報じ方をしている。
20億円、いや30億…80億円との声も聞く、というのだ。長期契約になれば118億円相当になるかもしれないと、もはや日本のメディアによれば「松坂投手の値踏み」は天井知らず。

それにしても、摩訶不思議なお話ではないか…。
「至宝」だ、と言っておきながら、人手に渡す。それも「高額」なら…と、条件を付ける。
「低額」ならどうなるのだろう…と、疑問すら起きてくる。
ここに、子供心のような…「童心の夢」がない。実際、松坂投手自身「自分はナンボで買ってくれ。さもないと、日本で野球をする」と言っているのだろうか?

さらに気になるのはこのオフに多くの選手たちが「大リーグへ」と言う報道が相次いでいる。
38歳になった「東京G」の元エースが「大リーグも視野に入れて…」と言っているとの報道だが、なんだろうなあ…これって? って、疑問符が付いてしまう。日本球界ですでに通用しなくなった投手なのでは…? という疑問符だ。かつて、日本を代表するストッパー江夏投手がいたが、彼も選手生活の晩年は日本球界からオファーがなく、渡米して大リーグに挑戦したが、3Aにもオファーされることなく、結局帰国している。東京Gの元エースもそうなるのではなかろうか…と不安になる。
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Major League Baseball(MLB)とは、世界中に散在する野球人たちの「夢舞台」であり、現実の「物語」である。憧れて参加できる舞台でもなければ、自惚れも過大評価も、同情すら入り込む余地がない場所である。いわんや「おとぎ話の舞台」ではない、とボクは思っている。
打つ、走る、投げる、捕る…の基本動作そのものが「美」である人たちが集まり、彼らにのみ「夢」を追い求める資格が与えられている。それが、MLBだ、と。そして、彼らが自分の「夢」を追い求めて毎試合ごとに全力でプレーする姿を、まるで我が事のように錯覚できる「幻想」をファンに抱かせてくれるのも、また、彼らMLB選手たちの「仕事」でもある。従って、選手と観客の間にあるものは「夢」である。MLBの選手ひとりひとりと、スタンドで観戦する人たちは「共通の夢」で繋がっている…。

「夢」を見る資格がある、これがMLB選手になる最低条件なのだ。長年、大リーグを観戦して、ボクはそう思う。現実のお話、なのだ、この「夢」とは。なぜなら、「夢」とは「目標」だから。目標をヒットできる最低条件を満たしている人材か否か…。
では、「夢」が現実になったら何が彼に与えられるのか? 球団がデザインした「指輪」だそうである。指輪…でしかない。しかし、その指輪が放つ「環光」の輝きは、栄光そのものであり、生きた証に他ならない。歴史にその名を刻むという意味を含んでいる。
MLBのドラマとは、目を開けて見る男たちの「夢物語」である。

日本がダメならアメリカがある…か? いや、ない! 悲しいかな、それは…ない!

日本で「至宝」とまで言われている選手が日本球界を去って大リーグに行く、という最近の「傾向」を「習慣」になったら悲しい。それも「いかに高額」かを競うのは、さらに悲しくなる…。松井選手がヤンキースに入団した年、キューバから亡命したコントレラス投手は僅か2年で解雇され、シカゴホワイトソックスに移籍している。松井選手の入団など当時はさほどニューヨークのメディアには対象になっていなかった。それより、コントレラス投手の記事が踊っていたものだ。それも、目の玉が飛び出すほどの「高額」契約金だった…。しかし、1年目は7勝、2年目は8勝しか出来なかった。ファンとかわした「夢」が消えていった…。キューバの「至宝」でさえ、この結果だった。そのことを日本のメディアはわかっているのだろうか…。松坂投手をあれだけ持ち上げるだけ持ち上げておいて…。ファンたちの「夢」の見方を知っているのだろうか? なんとなく、だが、ボクは松坂投手が哀れでならない。男の価値を「お金」で値踏みするのか、と。もしそれが「いいことだ」と言うのなら、ずいぶんとお品のない人柄と思われるのでなかろうか。「高額で引き取ってくれる球団ならどこにでも」というのなら、是非ヤンキース以外にしていただきたい。ヤンキースを「野球商売」の当てにして欲しくない、とNYYのファンたちは言うだろう。
YankeeStadiumは、100年の歴史がある。100年間の「夢」が光っているスタジアムだ。「裏切り者といわれるだろうけれど、ヤンキースに!」と絞り出すように叫ぶ選手が「夢」を抱えて太平洋を渡ってくる来るのが、ヤンキースというチームの「美しさ」であり、「魔力的な輝き」である。ヤンキースとは「夢」の球団である。そんな球団に仕立て上げたのはフロントの努力もあろうが、それ以上に、選手とファンがお互いに「夢」を共有してきた歴史的背景が、ヤンキースをそんなチームに育て上げたのである。
「高額でその身を買ってもらった投手」が来るところではない。
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仮にそんな形で来たとしたら、NYYのファンたちからは「夢」の共有はなされないだろう。「所詮、金次第の選手」とのイメージがつきまとうのだから…。
松井選手の年俸は高額である。しかし、それも彼が実力で示してきたことを多くのファンたちは知っている。5月の「あの事故」もまた、チームへの貢献プレーだったからファンは松井選手の事故を憂いた。だから、復活した日、想像を絶するNYYファンの歓声が巻き起こったのである。さらに、その日、4打数4安打の神懸かり的打撃をヤンキースタジアムで披露している。もはや、あの日の出来事は「ヤンキースの伝説」になった。
「夢」が、生きていた!

「お金」で入団する選手は、MLBだから、それはいるだろう。しかし、そのぶんファンたちからは「夢」を差し引かれることを覚悟すべきである。A・ロッド選手がそうであるように。肝心の「10月シリーズ」で「調子が悪くて打てませんでした」では、ファンは憤る。納得したくない、のだ。それがファンたちの「夢」の見方なのである。

日本球界から太平洋を渡りたがっている選手が多くなった。それを日本のメディアも書き立てる。
が、各球団には「ファン」というもう「ひとりの選手」がいることを、知っておくべきではなかろうか…。とくに、MLBファンの「選手根性」はプロだと言うことを知るべきだ。「夢」でつながった選手たちのみを声援するということを…。

米大リーグは、今季の総入場者数が7604万3902人で、3年連続で最多記録を更新したと発表した。昨季より1・5%増えた。マイナー・リーグの入場者は4171万357人で、メジャーと合わせた観客は1億1775万4259人となる。この数は、おおよそ、日本の人口に匹敵する。ベースボールが米国国技と言われるゆえんだ。今季は24チームが200万人を超え、そのうち8チームが300万人を超えた。
ヤンキースは424万8067人で、2年続けてア・リーグ記録を上回った。
このほか約376万人のドジャース、約341万人のエンゼルスなどが球団記録を更新している。約293万人のレッドソックスは7年連続で球団新だった…。この数を、日本のスポーツメディアはなんと読むのだろうか。
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…NY152…
by mlb5533 | 2006-11-07 02:42 | 第一章

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今日、ニューヨークの「今年の夏」が終わったな…と、そうボクは思った。

この日の夜、ニューヨークは雨が降っていた。寒がりのボクだから、こんな日には外出はしたくない。アパートで熱いコーヒーをすすりながらテレビを見ているか、CDを聞いていたことだろう…
肌寒かったろう、今夜のニューヨークは。しかし、ここクィーンズにある球場には、53,200人以上の人たちが地下鉄に乗り、マイカーで、中にはきっと飛行機でやってきた人もいたことだろう。この観客人数は、メッツ球団史上、球場新記録の観客動員数になってしまった。彼らのここに来た目的は、
メッツ対カーディナルスの第7戦を観戦するために…。

メッツの本拠地シェイ・スタジアムで行われる最後の戦いを見たい、その一心でこれだけの人々が悪天候の中、押し寄せていた。ここまで、3勝3敗。この試合に勝ったチームが、「リーグ優勝」の栄冠を勝ち取る。もう、なにも残っていない。2006年のリーグ戦としては最後の試合だ。

子供たちは父と手をつないで、メッツファンの恋人を持つ女性は彼に従って、サラリーマンたちも、学校の先生たちも…そして、遙々セントルイスからやってきたファンだっていたことだろう。日本の野球ファンがそうなように、アメリカ人も「おらがチーム」の「勝ち姿」をこの目で見たいのである。そして、その瞬間の歓びを、「おらがチーム」の選手たちとともに、大はしゃぎしたいのである。
「勝つ歓び」にひたりたくて…
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1-1が続く。雨が冷たい… 両軍のベンチには笑顔が消えていたことだろう。激しい緊張感が選手たちに容赦なく襲いかかる。

第7戦では、エンディ・チャベス外野手がプレーオフ史上に残るであろうスーパープレーを見せた。6回1死一塁、カージナルスのスコット・ローレン三塁手が放った打球は雨の中、左翼方向に高々と飛んでいく。もしかしたら…いや、そんなことはない…両軍のファンたちは打球の描いた放物線に沿って視線を離さない。際どい、スタンドインか? それとも… 際どい。

打球がスタンドインすれば、カーディナルス勝ち越し2ラン!
両軍の全選手と53,200人の目が、その行方を追いかけた…。
「あっ、ホームラン! かぁ?」
この際どいボールを追いかける一人の選手…
雨でぬかっている地面を蹴って、メッツの選手がジャンプした!
チャベス選手だ! 
右手をフェンスの上に精一杯突きだしてのジャンピングキャッチ!
すばやく内野へ返球し、飛び出した一塁走者までアウトにした。
スタジアムは歓声がこだまする。大拍手が鳴りやまない。一生に一度見られるかどうかの、美技中の美技を53,200人の人々が見ていた…
「Amazing Mets !」の伝説がまたひとつ、加えられた。
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その裏、メッツは一死満塁と攻めたが、モリーナ捕手にしてやられた。結局、試合は最終9回までびくとも動かない。延長戦かも、と言う気配も漂う。
しかし、動いた! カーディナルスが土壇場の9回表についに試合を動かした。

九回一死一塁だった。打席に入ったのは、モリーナ捕手。
初球の甘い変化球を迷わず振り抜いたバットから打球は高々と上がり、今度は間違えなく左翼フェンスを越える2ラン!

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九回裏、メッツは2死満塁と全力で反撃。だが、3番ベルトレン選手の見逃し三振で、今季ALの「物語」は決着がついた…。

カージナルスが、17度目のワールドシリーズに進出する。


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そして、ボクの「夢」…
ニューヨークが春になるまでボクの「夢」は
白い雪の中に仕舞っておこう…
2006年のニューヨークよ! 君は力強い! 
その輝きはボクを魅了する!
 
ニューヨークよ、 覚えていてほしいんだ…
ボクには君と同じ「夢」があることを… 
また君が再び日射しを浴びて春の香りが風にのった頃、
ボクは今年以上の「夢」の袋をたずさえて
君に会いに行きますから…

オベリスクのような摩天楼たちよ! 
雪の下に眠る静かなセントラルパークよ!
ボクは来春、新たな君に「出逢い」に行きます。

(コラージュは筆者制作)
…NY152…
by mlb5533 | 2006-10-20 19:26 | 第一章

後一本が出ないまま、終わってしまったカーディナルス…。
昨日の試合展開は、そんな印象だった。
メッツは、レイエス選手の先頭打者ホームランで先制、中盤4回、打撃の職人グリーン選手がセンター前にヒット! メッツは1点が加点されたが、その後は沈黙。お互いにチャンスをつぶし合い、両軍のベンチから笑顔が消えていた。
一方、何度もチャンスがありながら、後1本が出ないカーディナルス…

a0094890_16494513.gifそして、9回の土壇場。
先頭のエンカルナシオン選手がヒット、続いて、ローレン選手の2塁打で、3塁、2塁の好機。ノーダンだ。しかし、凡打が続きたちまち2死。
2死2,3塁で登場したのが、田口選手だった。簡単に2-0となったものの、あの粘りでレフト線際の待望のタイムリー! 2塁打とする間に、二者がホームに帰り、2点!

田口選手は、4打数4安打4打点 ここまで来れば、もう神がかっている。
かし、カーディナルスの反撃はここまでだった…


NYM4-2STL
これで、3勝3敗になった。

メッツ先発のジョン・メーン投手は今季まだ3年目の「新人投手」だった。カーディナルスの先発は昨季のサイ・ヤング賞右腕、クリス・カーペンター投手。もう、予想の大半は「メッツは今日で終わる…」はずだった。
なのに、メッツが勝ったのはなぜか?
ジョン・メーン投手をこうリードしたポール・ロデューカ捕手の功績か?
ボクは、こう読んだ。ロデューカ捕手のリードと言うよりも、作戦勝ち、出はなかったか、と。
徹底して「強打者」との勝負は避けた。プホールズ選手との勝負はしなかった。徹底ぶりはまさにお見事、感心した。若い投手だったら、「勝負したい」心境だろうが「チームの為に」ここは個人的プライドを棚に上げさせたランドルフ監督は、立派だった。「ダメなら、責任は私がとる」と言わんばかりの采配ではないか。

この作戦が功を奏してたか、ランドルフ監督の思惑通りの勝利に繋がった、とボクは読んだ。
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ウィリー・ラリー・ランドルフ監督(Willie Larry Randolph)
1954年7月6日生 52歳。
2004年までの11年間、NYYでコーチをしていたが、昨年NYMの監督に就任した。
そして、いきなり低迷していたNYMを「W83 L79 .512」に立て直してしまった。
そして、今季。監督就任2年目にして、「W97 L65 .599」の成績をあげて、早くも地区優勝にまで上り詰めた。それも、大リーグ1番乗りの「スピード優勝」だった。
監督成績は、
2005 W83 L79 .512
2006 W97 L65 .599
通算成績は324勝180敗 勝率5割5分6厘

ヤンキースの名二塁手であり、1970年代後半のトップバッターである。
1976年から1988年まで13年間、NYYでプレーした後、1992年メッツで引退したのが37歳だった。1993年から2004年、NYYでコーチ。2005年にNYMの監督に就任している。
監督サンになって、まだ僅か2年目なのだ。

一方のカーディナルスのラルーサ監督は先日紹介したとおり、大リーグ監督として名監督である。
監督としての通算成績は2114勝1846敗 勝率5割3分4厘を誇る。
ランドルフ監督のおよそ7倍の勝ち星を積み上げてきた監督だ。

メッツ監督が「若い」ければ、メッツの選手たちも「若い」。「若い」という表現は、年齢ではなく、キャリアである。

a0094890_1651164.gifそもそも、メッツ4番打者デルガド選手は
「俺は約12年半もプレーオフに出られなかった(実際は今季がメジャー14年目)。野球選手ならば誰だってプレーオフに出て、勝ってみたいものだ」とコメントしている。
「俺たちはいつだっていいプレーをしてきたし、楽しんでプレーしてきた。自分が打つのもいいが、きっと勝ち上がったときのほうが、もっとうれしいんだろうな」と語ったほど、「10月決戦」には縁のなかった選手たちがいる。
キャリア不足、がメッツの特徴なのである。
その点、カーディナルスは「ワールドシリーズ制覇9回」の歴史を誇る古参のチーム。短期決戦の勝ち方の「Know-how」は充分知り尽くしているチームだ。

それを承知した上での、昨日の試合展開。ランドルフ監督の采配は、ズバリ的中している。
「無理させない術」を、若きメーン投手に授けたと感じたのは、ボクだけではあるまい。それを守ったバッテリーもスゴイ…。この戦法は、相手チームをイラ立たせた。

今季、NLもALも、「10月決戦」はSweepが目立って多かったが、このカードだけは興味深い。


a0094890_16512361.gifそして、現在のメッツはやがて数年後、ニューヨーカーたちの「伝説」になっていることだろう。


新星対古参の激突…だった、と子供たちに語り継いでいくのだろう…。


間もなく、その「物語」のすべてに決着がつく。



(コラージュは筆者制作)
…NY152…
by mlb5533 | 2006-10-20 06:12 | 第一章

3勝3敗!

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美しすぎた…

この試合をボクにどう書け、というか…。

感動して、言葉が見つかりません。もう少し待ってください、自分を冷静にしてから今日の試合を綴って見ますから。

これで3勝3敗。明日、すべてに決着がつく…
優勝経験の少ないメッツの選手たちと、2年ぶりの優勝を目指すカーディナルスが、明日、初冬のニューヨークの空の下。決着をつける。

…NY152…
by mlb5533 | 2006-10-19 13:30 | 第一章

んーー、やっぱり…か。
ニューヨークメッツは、ほんとに強い。言葉が見つからないほど、その強さは絶大だ。
余裕の勝利だのゆとりあふれた勝利だの…そんな文学的表現は今のメッツの勝利法には、ふさわしくない。むしろ、きっちりとした数学的運動量、という観点で観戦した方が、その強さの秘密を発見できるだろうとボクは思う。

f0012316_1833648.gifメッツの勝ち方は、偶発的な得点、という点の取り方はない、ということだ。思いもよらない本塁打が飛び出す…なんてことは、あり得ない、ということ。それで勝った、なんて試合は今季どこにもなかった…。
思いがけないことがことが起きるのが、ベースボールである。それを期待して私たちは球場に、テレビの前に集合する。
思いがけないこと…だから、そうそうあるものではない。162試合中、1,2試合だろう、それを見られるのは…。例えば、今季ホワイトソックスのショートストップ井口選手が、体が倒れる、地面に落ちる、まさにその瞬間、スローイングして1塁でアウトを取った。こんなプレーは、思いがけない美技だ。そうそう見られるものではない…。打撃となると、もっとそれが顕著になってくる。

思いがけないことをして、勝っていたから「アメイジング メッツ!」だった。それがいままでのメッツ、だったではないか。そして、その姿がメッツの「伝統的チームカラー」とさえ思っているファンたちが多く、メッツというチームに群がっているファンの特徴でもあった。
映画「オーロラの彼方へ」(原題:FREQUENCY)がそうだったように、メッツはロマンチックなチームだった…。はなはだ失礼な表現をさせていただくと、「女性的紳士」という印象が今までの「伝統的メッツ」だったろう。やさしくて、穏やかで、人格を優先する、そんな知性派文学的チーム、だったのである。
クィーンズの象徴としての「メッツ」だった。ブロンクスのヤンキースとは、この点が違っている。
往年のメッツファンたちは決まってこう言う。
「ヤンキース? んーー、あのチームはブロンクスだろ」と。

だが、現実はすでに違っている。彼らの歴史は、現在のチームによって、完全に塗り替えられた…。かつてのヤンキースの姿、そのままではないか! 暴れん坊メッツ、に変身している!
目の前にいる「メッツ」は、ロマンの欠片(かけら)すら、ない。偶発的勝利なんて、どこにも存在しないのである。相手のエラーが勝利に結びついた、なんて試合もいまのメッツにはもう起こってこない。
その勝利は、「徹底した数学的破壊力」、そのものである。その勝ち方は、見ているボクには、驚異であり、恐怖でもあり、高熱を放つ人間の体温であり、早まる心拍数であり、そしてなりよりも目を見張るのは、あのスピード、だ! 大リーグ1番、とボクは測定している。

だから、怖い、のである。

いま、メッツを相手に戦っているのが、「セントルイス」だ。歴史の浅い米国内では珍しく、この地には歴史を感じる。まあ、物書きたちには絶好の土地柄だろう。至って、文学的、である。
日本からやって来たひとりの地味な選手「田口壮選手」も、このチームカラーにうまくマッチしている。書きたくなる素材、なのである。「アメイジング」を感じ取れるからだ。感じた体験を文字にして自分の心をスケッチしてみる。そんな後味の良さを抱くのは、ボクには「セントルイスカーディナルス」である。

f0012316_188436.gifだが…。メッツは、書きにくい。
書きたくないのではなくて、書きにくい。それも、「実に書きにくい」のである。ロマン、がないから。
その試合運びは、彼らの主目的である「勝利」から、寸分も狂いなく運ばれていく。ここでこうなって、この選手がこうして、そして、最後はここで終わる…と、あたかも観測、測定されていたかのように、「勝利の設計図」に従って試合は流れていく。メッツが負けるときは、測定値に「狂い」が生じたときにだけ、惨敗している。さらにメッツが恐ろしいのは、その「狂い」を翌日にはきっちり「修正」してプレーできる選手たちだと言うことだ。
これは、恐ろしいことだ。とくに、この短期決戦、では。

今日の試合はまさにそうだった。
NYM 12-5 STL

「セントルイス」相手に「クィーンズ」は、勝ちすぎである。お上品な勝ち方とは言えないほど、完全に相手を破壊し尽くした…。汚い言葉で言えば「叩きのめした」。「やられたら、倍にしてやり返す」それが現在のメッツだ。繰り返して言うが、もう往年のメッツはどこにもいなくなった。今のメッツは、歴史とは無関係のメッツ、なのである。相手をとことん「叩きのめすチーム」になったと言うことだ。超人的破壊力を武器にして、容赦してくれない。「徹底した勝利」と「確信した勝利」を納めるチームなのだから。
強い、ほんとうに今のメッツは、強い…。

f0012316_18111361.gifこれが、破壊力№1「メッツ打線」である。

1.レイエス選手#7(ショート/生え抜き4シーズン目)
2.ロドゥーカ選手#16(キァッチャー/今年FLAから移籍)
3.ベルトレン選手#15(センター/昨年HOUから移籍)
4.デルガード選手#21(1塁/元来TRO、今年FLAから移籍)
5.ライト選手#5(3塁/3年目の生え抜き)
6.グリーン選手#20(ライト/TOR、LAで、ARIから今年移籍)
7.バレンティン選手#18(2塁/MIL,CWSで、LADから今年移籍)
8.チャベス選手#10(レフト/PHIから今年移籍)

本日の試合は、1点ビハインドの2回。
3番ベルトレン選手と5番ライト選手があっさり本塁打して、逆転。
3回、セントルイスは同点にしたものの、5回には、
4番デルガード選手の3ランで、再び逆転。5-2。
6回。1番レイエス選手からバレンティン選手までの集中打で6点を加点。
7回には、またしてベルトレン選手の本塁打…

12-5 の、圧勝だ。
これでNYMは、STLとの対戦成績を2-2のイーブンに戻してしまった。

f0012316_184931.gif明日、またセントルイスでこの両軍の試合がある。

…ヤンキースを熟知している松井選手の「夢」を一緒に追いかけている仲間たちに告ぐ!

ボク達は来季、必ずこのメッツとの対戦になるだろう…。だから、見逃さない方がいい。
メッツの強さの秘密を知っておくべきだ。この恐ろしいまでの破壊力を、見届けておいた方がいいとボクは断言しておこう。

明日、勝ったチームが、リーグ優勝に王手をかける。

(コラージュは筆者制作/Yahoo!sportsサイト)

…NY152…
by mlb5533 | 2006-10-16 18:30 | 第一章

a0094890_16585153.gif「何が起こったのか、よく分かってなかった。だから、とにかく走った」
田口選手は使い慣れた英語で、そう記者に笑って答えた…。
今年、37歳になった。日本球界ではすでにベテラン選手と呼ばれていることだろう。彼のひとつ年上の選手に、巨人軍の桑田投手、オリックスの清原選手たちがいる。

田口壮選手。
2002年、セントラルカージナルスに入団。
セントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)は、アメリカメジャーリーグ、ナショナルリーグ中地区所属。本拠地はミズーリ州セントルイス。発足は、1875年。1892年にナショナルリーグに移籍した。
現存するメジャー球団ではもっとも長い歴史を誇る球団だ。
ナショナルリーグ中部地区では圧倒的な実力を誇り、主催試合での観客動員はメジャーリーグでもトップクラスの人気球団である。プレーオフ出場の常連チームであり、「ワールドチャンピオン9回」は、ニューヨーク・ヤンキースに次いで史上2位なのだが、1982年以後世界一から遠ざかっている。2004年はレッドソックスに破れ、「ワールドチャンピオン」になり損ねたことは記憶に新しい…。

背番号99は、田口壮選手の「誇り」の表現である。
大リーグ選手の現役で、これ以上重い数字を背負った選手はひとりもいない。「最後の数」が、きっと田口選手にはお気に入りなのだろう。もう、後がない、という緊張感も抱きながら…。
田口選手は、そんなに派手な選手ではない。33歳で太平洋を渡った。そう、あの「夢」を抱いて。
大リーグでの成績は、通算打率.281 本塁打16 である。今季本塁打は134試合に出場して、2本だけ打っている。この極めて地味な数字を見る限り、田口選手がまだ大リーグに残っていることが不思議に思う人たちも多いだろう。派手さが売り物、それが米国ベースボール、と思っている人たちには。

しかし、それにしても…田口壮選手の選手寿命がなぜこんなに長いのだろうか…。
なぜ、ラルーサ監督は「ソウは素晴らしい選手だ」と彼をあれほど高く評価しているのだろうか。
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トニー・ラルーサ 監督(Anthony LaRussa Jr., 1944年10月4日生 NY州出身 )について、少し書いておこう。
英語とスペイン語のバイリンガルで会話している。「対話」を重視している人物である。
1979年のシーズン中に、若干34歳でシカゴ・ホワイトソックスの監督に就任。1983年にはアメリカンリーグ西部地区を制し、最優秀監督賞を受賞。その後1986年のシーズン中にホワイトソックスが26勝38敗とつまづいた責任から、解雇されたことがあった。

ホワイトソックスから解雇された3週間後には、オークランド・アスレティックスの監督に就任している。
マーク・マグワイア、ホセ・カンセコの通称バッシュ・ブラザースを擁して、1988年から1990年まで三年連続でワールドシリーズにチームを導き、1989年にはサンフランシスコ・ジャイアンツを降してワールドシリーズを制覇する。1988年に二度目、1992年に三度目の最優秀監督賞に輝く今や米国大リーグを代表する名将監督の人格者だ。

1995年にアスレティックスの監督を辞任、そのままセントルイス・カーディナルスの監督に就任し、1996年、2000~2002年の4回ナショナルリーグの中部地区優勝を果たしている。

2004年までの監督としての通算成績は2114勝1846敗、勝率5割3分4厘、そのうちカーディナルスでは794勝663敗、勝率5割4分5厘である。ア・リーグとナ・リーグの両リーグを制覇した史上六人目の監督であり、通算2114勝は歴代六位である。また、両リーグで最優秀監督賞を受賞した二人目の監督でもあり、ラルーサ監督は紛れもない現代野球の最高監督の一人である。
オークランド・アスレチックスを代表とするビッグボールに対抗し、ベースボールの基本である伝統的なバント、盗塁等の小技を用いるスモールボールを好む監督としても、その戦術は有名である。
スター選手ひとりが活躍するチームよりも、「全員野球」で勝利するチーム創りをしている監督なのである。選手ひとりひとりの「特性」を引き出す監督、ということになる。

従ってカーディナルスの選手は、「走る、打つ、守る」この基本動作に忠実になる。
それを熟知しているのが、この日本からやってきた地味な選手、「田口壮選手」だったのだ。彼は実に野球を知っている選手、とラルーサ監督の目には映ったというわけだ。自分を犠牲にしてまで自軍のランナーを進塁させることをいとわない。田口選手の打法も、右に左と打ち分ける技を持っている。そして、足は速い…。粘り強く、忍耐出来る。

ラルーサ監督の目には、田口選手の特性は野球選手として最適であり、また秘蔵っ子、である。
「ソウの気持ちと私の気持ちがひとつになっているから、時々気味が悪くなる」と言って記者を驚嘆させたことすらあったではないか。それほど、田口選手を大切に、まるでトランプゲームの「切り札」として、とっておいている。なにかあったら、この「カード」を、と。

そんな地味な選手が、この「10月」に、あの「夢」を抱いてラルーサ監督と仲間たちとともに、グランドに向かっている…。

今シーズン、田口選手は134試合に出場して、316打数のうち本塁打はたったの2本だった。
なのに、この「10月」には、代打出場して2打数2本塁打の大リーグ記録まで創る大活躍ぶり。

昨日のことだ。Amazing ! が、起こったのは…。それはまさに「夢物語」にふさわしい伝説になった。
メッツ戦6-6で迎えた9回表、田口選手の打球は左翼スタンドに吸い込まれていく。
逆転本塁打!
この大舞台で、地味な選手が超派手なプレーをしてくれたものである。
しかも打った相手はメッツの守護神ビリー・ワグナー投手を打ち込んだのである。

ワグナー投手との対戦は、過去5打数無安打。しかし、ラルーサ監督は「ソウ(田口)は終盤にいい働きをする」と、起用を迷わなかった。田口も最初のファウル(2球目)で「(タイミングは)大丈夫だと思った」。球が見えていることを確信すると、粘った末、9球目を見事にとらえての逆転ホームランだった。
左腕からの快速球を武器に今季40セーブ、通算324セーブを挙げている屈指のクローザーだ。
同点の9回からマウンドに上がったワグナー投手は、途中出場の田口選手を先頭打者として打席に迎える。ここでワグナー投手はあっさりとカウント2-0と田口選手を追い込むが、結局フルカウントから2球ファウルで粘られた後の9球目、98マイル(約158キロ)の速球をレフトフェンス越しに運ばれた…。

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そのワグナーが13日のセントルイス・カージナルスとのナ・リーグ優勝決定シリーズで繰り広げた、田口壮外野手との勝負を振り返って、こう言っていた。
「いい勝負だった。フルカウントになった後は、高めの速球でポップフライに打ち取るつもりだった。田口は速球に強い、いいバッターだ。彼は俺との勝負に勝った」と。
田口選手の逆転本塁打で、カーディナルスはメッツと1-1のイーブンにした。

もう日本人選手は誰もいなくなった「10月」と思っているファンもおられたことだろうが、ドッコイ、
ここに地味な男の「田口壮選手」がいま、一生に一度のチャンスに「夢」を託して戦っている…
相手チームは、ニューヨークメッツ。ヤンキースとその人気を二分するほどの超人気球団。
1962年発足して1969年にワールドシリーズ初制覇。「Amazing Mets !」の名前を全米に轟かせた。2000年、そのメッツを相手にリーグ優勝を賭けて戦ったが、1-4でカーディナルスは敗退している。あれから、6年が経った…。

a0094890_16573330.gifいま、ラルーサ監督は手塩にかけて育て上げた選手たちとともに、ニューヨークメッツを追いつめる。
この際である、はっきり言おう。今年のメッツは球団史上最強チーム、だと。
今年のメッツは、史上最強だということを大リーグファンならずとも、ニューヨーカーなら誰もがわかっていることだ。ヤンキースファンのボクが言うのもおかしな話だが、今年のメッツは強い。ほんとうに、正真正銘、本物の大リーガー軍団である。強い。こんなにスゴイNYMはその歴史上に存在していない、と断言できる。その破壊力はいまの大リーグでは、一番だ。
もし、いまのヤンキースが…いや、よそう。「もし、と、たら話」は…。ボクは今シーズン開始直後から感じていた…。同じNYにいるチームのこと。メッツの動向は気になって仕方がなかった。とくに、夏場の7連勝、8連勝には…。
「このメッツを一体どのチームが倒すんだろう」と。


そして、今日!
なんとなんと、なんと…
「STL 5-0 NYM」
メッツ打線を完封したではないか! これでカーディナルスは2勝1敗。
あの世界一おっかないメッツ軍団相手に、カーディナルスは優勢に転じた!
1.レイエス選手 2.ラドゥーカ選手 3.ベルトレン選手 4.デルガード選手 5.ライト選手 そして、かつての安打製造器の6.グリーン選手(この打順が不気味。なんでグリーン選手が6番?こわぁ~) この6人の打数合計20 安打はわずか2。この6人に対して、奪三振1 与四球1だった。
スーバン投手は、打たせて取った。守りの野球に徹したのである。ラルーサ監督の真骨頂をこの試合に見たのは、ボクだけではあるまい! そして今日もまた、田口選手は8回から守備固めとしてレフトにはいっていた…。

a0094890_1657257.gif果たして、
「Amazing !」
は、どちらのチームになるのか… どの選手になるのか… 
その決着は間もなく、つく。

NLでは「デトロイトタイガース」が4連勝して、リーグ制覇を成し遂げた。
「タイガース」のワールドシリーズ進出が決定した。
(コラージュは筆者制作)
…NY152…
by mlb5533 | 2006-10-16 03:33 | 第一章