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ボクの、2010年が今日で過ぎた。また来年4月まで「夢」を膨らませて待つことにしよう…。

米大リーグのワールドシリーズは1日(日本時間2日)、アーリントンで第5戦を行い、ナショナルリーグ・サンフランシスジャイアンツが3-1でアメリカンリーグ・テキサスレンジャーズに勝って4勝1敗とし、56年ぶり6度目のシリーズ制覇を成し遂げた。

今日でMLBが閉幕した。そして、ボクはまた明日から2011年4月まで「冬型」の生活をしていく…。

それにしても、感動的な試合だった。シスコの背番号55・ティム投手があれほど頑張るなんて誰が予想したことか。若々しき26歳のティムは当初、シアトルが獲得する選手と伝えられていた。だがシアトルはティムを獲らなかった。180センチ、77キロと体格には恵まれていないことが原因だったのかも知れない。しかし、シスコが堂々と1位指名。大リーグ1年目から先発入りし、2年目から2年連続でサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)を獲得。オナゴどもがキァアキァアと黄色い声援を送るあの長髪をなびかせて、体全身で若竹のようにしならせる独特の投球フォームで実績を積み上げていく。評価は一変した。
初のポストシーズン進出で6試合に投げて、4勝1敗。防御率はなんと2・43のキラキラ星。ブレーブスとの地区シリーズでは2安打完封の快挙。そして本日、テキサスにシーズン途中から移籍した仕事人・リー投手との投げ合いという最後の大一番でも若きエネルギーを大爆発させた。

ティムも含め、先発投手4人はすべて生え抜き。26歳のエース、ティム・リンスカム投手こそ2年連続サイ・ヤング賞の実績があるが、26歳のケーンは先発に定着して5年目だ。第4戦で快投した21歳のバムガーナーは今季メジャーに定着したばかり。急成長した強打の新人4番打者・ポージー捕手が投手力を引き出していた。来季からは、しばらくジャイアンツの時代が続くに違いない…。
ヤンキースと比較したら全くもってスター不在のチームであることは間違いない。「10月決戦」に駒を進めた時でも「ここまでやれば上出来」との低評価だった。

打線でも継ぎ接ぎだらけだった。
リーグ優勝決定シリーズMVPのロス選手は8月にマーリンズを戦力外になった選手。また、パイレーツ時代に首位打者を獲得したサンチェス選手は2番固定でつなぎ役に徹した。5球団を渡り歩いた苦労人ハフ選手は打線を支えた。35歳のレンテリーア選手はマーリンズ時代、1997年にワールドシリーズ第7戦で優勝を決めるサヨナラ適時打を放っている。13年後、またしても世界一への決勝ホームラン。第2戦での先制ソロ本塁打に続く殊勲打でシリーズMVPにも選ばれ、
「何度もけがをしながら、辛抱して、またプレーするチャンスを与えてくれたチームに本当に感謝している。すべてがうまくいった」
そう言って涙を浮かべていた。

こんなドラマを見せてくれるから、ボクはベースボールの「夢」が続くのだ。
ジャイアンツの背番号55が輝いた日だった…。
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さて、元祖・背番号55….
ボクの個人的感想だが、赤いユニフォームでなくてもいいのではないか、と。
連れてきた人が「見込み違いだった」なんておっしゃっているというし…。
今季背番号55の最大の収穫は、膝が動く、ということだった。後半戦の打撃がそれを証明しているし、守備もいい。いっそのこと、アメリカンリーグ移籍もまたまんざら冗談ではないかも知れない。マッティングリー新監督のドジャースとか…。シカゴは寒いから、膝の悪化再発が心配になる。
あたたかい都市がいいとボクは思うが…。シアトルは大砲がいないから欲しがるだろうけれど…。

さてさて、結局は松井秀喜選手のユニフォームが気にななる。
その色が決定した時、このブログは「第9章」になる…。「夢」の物語を綴っていくために。


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by mlb5533 | 2010-11-03 01:36 | 第八章

現代っ子は世界中どこにだっている。このMLBでも。
ティム投手がその代表だろう。しかも、ジャイアンツでの背番号が恐れ多いことに「55」なんですよ。ボクのようなこだわりモノは、「1を引いて、54にしておけ」と言いたくなるほどの典型的カリフォルニアのオトコの子なんですが…ね。まだ26才。遊びたい盛り。なのでグランド外でも騒々しいこと。トレードマークの長髪を風になびかせて投球する姿は、オナゴどもには魅力的なのでしょうか…、キャアキャア。

この現代っ子が今日、たったひとりで自軍のマウンドを守り続けた。
まさしく熱投でした。速球と落ちる球を使い分けて119球を投げ抜き、アトランタを2安打に押さえての堂々の完封勝利。14奪三振は実力です。

ティムは子供の頃からベースボールが大好き。あこがれは「24番」でした。そう、シアトルのケン グリフィJrでした。今季、シアトルとの対戦があった日、ジュニアが「おおティム。元気か」と一声掛けて歩き去った。ティムは「……、…」と、口の中でモジョモジョ。なんにも言えなかったそうだ。で、しばらくして「聞いたか、オイ! あのジュニアがボクの名前を呼んだんだ、ボクの名前を知ってたんだ!」と、記者たちに大興奮しての報告。記者たちはこの光景に大爆笑したがそれほどティムにとっては大先輩であり、彼なりに敬意を示している。

昨年まで2年連続サイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝いた好投手、ティムにとって生涯初の「10月決戦」。実力も才能もあり余る現代っ子投手だが、チーム事情からなかなか「10月」に駒を進めてこられなかった。

今日の試合は全世界に放送されたことだろう。全世界の若者たちが見ていたことだろう。そして…
きっと、ジュニアも観戦していただろう。
さらには、ティムだけを見たかったファンも多かったことだろう。
で、またひとつボクの「夢」が増えた。いつの日か、元祖背番号「55」の元東京ジャイアンツ4番バッターとサンフランシスコジャイアンツ「55」の対決を「10月」で見たくなってきた…。

ジャイアンツのティム投手、君の背負った「背番号55」に免じてボクも君を応援してたよ…。
おめでとう! やっちゃったぞティム!
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by mlb5533 | 2010-10-08 17:02 | 第八章

ヤンキース逆転連勝

強い。
ヤンキースはやはり強い。連日の逆転劇で連勝して、明日は本拠地ニューヨークに移動。明後日ヤンキースタジアムで第3戦を迎えるが、本拠地で3勝目を決めそうだ。

このチームが強い秘密は勝ち方を知っているだけではない。知っているとおりにプレーできる選手が集まっていると言うことだろう。昨日の試合もそうだったが、相手の隙、例えば守備にしてもそうだ。三塁側に引っ張れば、走者は進塁できると見ると、必ずそう打ってくる。ジータ選手が何気ないゴロに見えるが、必ず走者を送る進塁打になっている。決してムダゴロがない。チャンスを拡大していく戦法はどのチームよりも優れている。相手投手の制球が乱れてきたとなると、絶対に早打ちしない。じっくりと見定めてくる。
逆転劇はまさしく、襲いかかってくる感じだ。相手チームから見れば恐ろしいチームだ。それを繰り返しているから相手投手は落ち着かない状態が続くのかも知れない。なにかしてくる、と思いながらの投球になってしまうのだろう。ヤンキースのヒーローはいつもいつもそうだが、「日替わり」だ。特定の選手ではない。誰でも、どこからでも打って出る。逆に言えば、3,4番に当たりが止まっていても他が打てる。だから強い。
…こんな試合展開を散々見てきた。見慣れていたから、ヤンキースの試合展開が大リーグの常識と思ってしまうが、そうではなかった。目先の1勝の大切さを熟知しているチーム。それがヤンキースだ。「常勝チーム」が宿命のチームはベンチの緊張感が他チームとはひと味違うように感じる。とくに、主将・ジータ選手は得点しても決してバカ笑いなどしない。むしろ締まった表情で戻ってきた選手を迎えている。

今日、レイズが連敗した。完封負けだった。
明後日、ボクには待ち遠しい…。

それにしても松井選手がいない「10月」はボクにはやっぱり味気ない。ボクだけではないかも知れないが…。


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by mlb5533 | 2010-10-08 11:42 | 第八章

素晴らしい!
そうです、21号2ラン…。
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こういう離れ業を平気な顔でやってのけちゃう御仁だから、ボクのような松井選手ファンとしてはシビレるのであります。やはり、「伝説」を書き上げる選手なのですよ、この人は…。
いろいろ外野席でああでもない、こうでもないという「ただのお話」が騒々しくなってきましたが、そんな街の喧騒はどこ吹く風。赤ゴジが平然として、いつものように足下をじっくりと確認しながら打席に入ります…。
そして、4回2打席目です。インサイドに入ってきたクセ球を、例の得意の打撃姿勢「人の字」を保ちながらの一振り。飛びました、飛びました。右翼席中段あたりに放り込んでくれました…。

チームとしてはすでになにひとつ目標がない状態。そんな状況でも、絶対に「手抜き仕事」をしない松井選手の姿。社会で仕事をしているボクたち男が見ても、その心意気には共感できます。情にもろいボクなんぞは、あの21号だけでも熱いモノさえ実感します。

21号2ラン…。
ほんと、美しいホームランでした。
昨日は少々感傷的になり、このブログを書く気がしませんでしたが今日の朝、目覚めると東京の空は気持ちのいい秋晴れ。巣鴨駅近くのパン屋さんでいつものようにサンドイッチを買い込んで一息ついたとき、東京の空は抜けるような青空でした。雲の白さが眩しかった…。職場に向かうクルマのなかで、来季「松井選手の夢」が不思議なほど膨張していくのですよ…。今季最終戦で放った21号2ランはボクの抱く「夢」を益々どデカイものにしてくれたのであります…。

松井選手が今後、どのチームにいようともボクはゴジの応援団長です。この席は誰にも譲る気はありません。どんな色の仕事着をお召しになっても、「ええ、よくお似合いでございますとも!」と、ボクは言います。彼が「夢」を捨てないかぎり、その「夢」はボクの「夢」でもありますから、ハイ…。

どでかいアメリカ大陸の空に、高々と白球を打ち込んで欲しいです。勝利の夢を携えて、ホームランを打ち込んでください。価値あるホームランと記憶のホームランを。
「MLB松井秀喜物語の伝説」になっている過去のホームランのように、2011年シーズンも「例年どおり」にまた物語を綴ってください。
そんな「夢」に向かって…。


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by mlb5533 | 2010-10-05 15:18 | 第八章

このところ、小雨まじりが続くの東京の空だ。
秋風というほどの涼しさはなく、むしろいきなり肌寒い。今年は秋が短く、突然寒い冬になるというが。ボクは昨日からアイスコーヒーをやめて、熱い珈琲を飲み始めた。季節の移り変わりを自分なりの体感から飲み物にも現れてくる。

いよいよ、明日からボクの待ちに待った「10月」だ。
太平洋を越えた遙か彼方の大陸では「10月」はあたかも真夏のように人々は熱くなる。オラがチームの最後の応援に声を振り絞って、行く年に物語を綴っていく。昨年の09年ワールドシリーズ。誰が忘れようか。「ヤンキース・マツイ伝説」が綴られたが、果たして今年はどんな物語が書き上がるのだろう…。
楽しみである。

それにしても松井選手はどこに行っても「伝説」を書き残す。
今日はエンジェルスが本拠地での最終戦だった。予定通り、先発から外れて代打起用を準備しながらベンチで機会を待つ。九回が終わっても1-1。延長になった。迎えた十回裏、一死二、三塁のサヨナラのチャンスで、監督さんはここでなんの躊躇いもなくバッターボックスに松井選手を送った。外野フライでもいい場面だ。
ところが、オークランドは堂々たる敬遠四球で満塁策。だが、エンジェルスはこの好機を生かせず、後続が倒れて無得点に終わっている。松井選手の今季本拠地での最終打席は、なんと「敬遠四球」だった。
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話はここで終わらない。
なんのことはない、監督さんは延長が長引くかも知れないと判断したのか、松井選手をそのままレフトの守備に就くように指示した。慌てたのは松井選手本人だったようだ。
松井選手のお言葉は以下の通り。
「(代打から左翼を守ったのは)びっくりですね。(回の合間に)グラブをここ(クラブハウス)に置いていたので取りに来た。日本では守備が代わったら打球が飛んでくるという言い伝えがあるぐらい。その通りになった。(二塁に好送球して単打にとどめ)二塁と一塁では大きな違い。良かった」

レフト線の打球を素早くさばき、二塁への矢のような返球で打者走者を一塁に釘付けにした。無死一塁にとどめた。もし、無死二塁だったら…。相手チームの攻撃がまったく変わっていたことだろう。
エンジェルスは十一回の攻撃でサヨナラ勝ち。ホーム最終戦を勝利で締めくくった。その歓喜の輪のなかに笑顔の松井選手がいた…。昨年のような大興奮ではなく、今季はほほえましくもあり、初めてほろ苦さを味わう。まるで転校生のような初々しさと濃いめの熱い珈琲を味わったような、そんなシリーズが松井秀喜選手の2010年だった気がする。

新たな仲間達とともに、ほほえましさの溢れたシーズンとして、ボクのなかで2010年「マツイ伝説」が書き上がった瞬間でもある。

さあ、あとはテキサスに移動して4試合残っている。
松井選手がここでもまたなにかひとつ、今季最終章で「伝説」を書き加えてくれるかも知れない。
それを「夢」見て…。
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(写真はMLBサイトより)
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by mlb5533 | 2010-09-30 13:38 | 第八章

日本のメディアではすでに優勝チームが決定した後の残り試合を「消化試合」と呼んでいる。なにも価値のないような、そんな感じのいい加減な表現をしているが、今日の試合では4万人がエンジェルスのグランドに観戦に集まった。

松井選手にとってはこの試合が今季地元でのスタメン最終戦になるとの情報が流れていた。今季に限って、左投手には打率が好くないので、オークランド戦では左投手揃い。スタメンの機会がないという。
しかし今日、左右に打ち分けての2安打1打点している。左投手は打てない、というレッテルを貼るのは松井選手の大リーグ生活をトータルで評価してはいないと思う。とは言っても、確かに今季だけ限って言えば、打率は好くなかったが。

ベースボールは点取り合戦だから打者に要求されるのはやはり、打点、だろう。とくに4番を打つ選手にはその期待がかかってくる。打点をあげる選手で近年最もボクの印象深い選手は、ヤンキースのバーニー選手。塁上に残っている選手を一振りでホームに戻す。まさしく、きれいにクリーンナップ(cleanup)してくれた。打率は後から付いてくる数字でしかない。
ところで今日の試合で、エンジェルスのセンター・ピーター君がホームランボールをキャッチした。もともとピーター君は守備の人としてMLBに。センターと言えば、ハンター選手の箱庭だったのに、それを押しのけての守備をかわれた今季デビューした23才。背番号25の若き選手。実は今日のシーンと同じことを何度やっている。来季が楽しみでもある。

明日で地元での最後の試合になった。松井選手をもう一度見ておきたい…。

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by mlb5533 | 2010-09-29 16:22 | 第八章

スポーツ紙にこんな記事が載っていた。

アメリカ公式記録員のビル・シャノンさんのコメントだ。
“日米通算”に疑問「心地いいものではない」と題して、次のような記事だった。
「1978年から大リーグの公式記録員を務めているビル・シャノン氏は、マリナーズ・イチローの日米通算3500安打に「イチローや松井秀が、日本でも最高水準のプレーをしていたわけだから、日本人が日米の記録を合算して考えるのはよく分かる。日本のメディアがそう考えるのは理にかなっている」と話した。
ただ、大リーグでの記録の取り扱いについては「大リーグをはじめ、マイナー、大学、セミプロなどさまざまな枠組みでベースボールに125年の伝統がある。メキシコのリーグや日本の記録を加えることは、心地いいものではないと感じている。高慢な考えなのかもしれないが、伝統と慣習に従っている」と語った。
素敵な話だとボクは思った。

今日、イチロー選手はトロント戦で今季初の4打数4安打の大活躍。しかし、シアトルは後半追い上げたが3-5 で敗れたが、イチロー選手の200本安打達成まであと3本になった。大リーグに移籍して01年から今季10シーズン。大リーグでの累積安打数は、2227本になった。
ところで、この記録はイチロー選手の大リーグでの純粋な活躍記録であることは言うまでもない。この記録だけでも現役選手はじめ各チームの監督さんでも、脱帽する。おそらくこのまま行けば、イチロー選手は10シーズン連続200安打達成になるだろう。そんな凄まじい打者は125年間の大リーグの歴史には存在しない。
だから凄い打者、というのは早急すぎる。イチロー選手の「もの凄さ」は、大リーグに変革をもたらした貢献者であるとこだ。どんな変革か…。それは、「内野安打の価値観」だ。
イチロー選手は大リーグに「日本の野球」を逆輸入させた貢献者でもあることを忘れてはいけない。そう、俊足をフルに生かした「内野安打」こそ、イチロー選手いや、日本人がその体力にあわせて創り上げた安打と言える。アメリカベースボールにはなくて、ボクたち日本人の野球ファンは高校時代から当たり前のように見てきたあの「内野安打の価値観」を大リーグに逆輸入したことだ。
ヤンキースが日本で開幕戦を行ったが、その前に各チームと対戦した。その感想を主将・ジータ選手は、こんなことを言っている。「彼らはズルイよ」その言葉を聞いて戸惑った記者が「なぜですか?」と聞き返した。するとジータ選手は「だって、みんなイチロー選手のように足が速すぎるから」と、冗談とも本気とも聞こえるコメントを残して記者団から爆笑を誘っていた。

日本の野球界にはかつて、長嶋茂雄とスパースターがいた。王貞治というホームラン打者がいた。
両者とも白球を遠くに飛ばす技術は人並み外れていたが、俊足でもあった。日本の野球選手はジータ選手が指摘したとおり、彼らはバットを振りまわす前に子供の頃から実に俊足である。これをイチロー選手はベースボールの聖地・大リーグに逆輸入した。
ボクたちは何回となく見てきた。イチロー選手がショートに、高いバウンドで投手方向に、サードにボテボテのゴロに…そのたびに守備に就いた選手が一塁送球を諦めてしまうシーンを。こんな光景がかつて大リーグにあっただろうか。送球しても、間一髪セーフというシーンも散々見てきた。

懸命に走る。「一塁を獲る」ために。これがそもそも日本野球・1番打者の使命だと高校時代から彼らはそう教育されている。1番打者とは体を絞って、小柄な俊足 …そんなイメージがボクたち野球ファンに固定したのも日本野球の伝統からだろう。

伝統、とはいうものの「日本野球史」はいつ頃から始まったのだろうか。
日本の野球史は「1871年(明治4年)に米国人ホーレス・ウィルソンが当時の東京開成学校予科で教え、その後全国的に広まった」と記録されている。となれば、日本の「野球史」は139年の歴史を誇る。
「ベースボール」を、初めて「野球」と日本語に訳したのは、第一高等中学校(1894年、第一高等学校に改称。第二次大戦後の学制改革の際に東京大学に併合され、新制東京大学教養学部になる)の野球部員であり、俳人の中馬庚(ちゅうまん かなえ)だ。
日本初の野球スター選手は誰だったのか? 青井 鉞男(あおい よきお)だろうとボクは思う。栃木県出身で旧制宇都宮中学(現宇都宮高校・通称ウダカ)卒業後、旧制一高から東京大学教養学部へ。一高時代に「野球」と出会う。彼は投手だった。まだ高校生の頃、横浜の外人居留地を訊ねて「ドロップ」の変化球をマスターしたのである。落ちる球、だ。それ以後、一高のエースとなり「日本に敵なし」とまでもてはやされた。青井投手は実力を試したかったのか、本場アメリカの横浜外人クラブとの試合を申し込んだが、小柄な体に技術も稚拙であるとして、試合を拒否される。しかし、明治29年5月23日、遂に日本人選手が初の国際試合のグランドに立った。一高は投手・青井 鉞男をマウンドに送っている。青井はアメリカ人から学んだドロップを速球と交えて放り続けた…。試合結果は29-4 の大勝である。
小柄で技術も稚拙と言われた日本人高校生が外人クラブを下したのである。当時、これは新聞沙汰だった。
話しはここで終わらない。雪辱に燃えた外人チームは当時停泊していた米国東洋艦隊チャールストン号、デトロイト号の船員の中から特に精鋭をズラリと揃えて全てアメリカ人によるチームを再編して、再試合を申し込んでいる。この雪辱戦の投手も青井である。同年6月5日のことである。試合結果は32-9 の大勝で連破している。
やがて青井は、青年たちに「野球」を指導する立場になり、現・横浜市立横浜商業高等学校の「野球部」監督の人生を送っている。この部員の多くはプロ野球界でも活躍した人たちが多いが、現在読売巨人軍の山口鉄也投手も同校卒業生である。つまり、山口投手は野球先駆者・青井投手直系の後輩である。

日本の野球史はこのとおり、「日本学生史」である。プロではなく、アマチュアの歴史が長い。
彼ら学生たちが「ベースボールのルール」を翻訳し、プレーしてみせた。学生らしい規律がいまでもプロ野球界に現存しているのはそのせいであろう。「犠打」は将に日本の学生らしいプレーだ。友が自己犠牲になってまでも、仲間を生かそうとする考え方とそのプレー。塁に出た仲間は、友が犠打を打ってくれたのだから決してムダには出来まい。全力でさらに上の塁をめざすのは当然…というチームへの思い。個人の勝利ではなくて、チームの勝ちに貢献する考え方…などなど。
こうしたプレーの集大成がいま本場米国のグランドでイチロー選手や松井選手が見せている。大リーグファンたちの観戦の仕方まで変化させた。ホームランと三振が「ショー」だったMLBに、「内野安打」と「頭脳的打撃」を見せつけるイチロー選手と松井選手…。そして、野茂投手の活躍…。
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だからこそボクは思う。
日本のメディアは、絶対に彼らの成績を「日米合算」とか「日米通算」にして欲しくないのだ。彼らに、そして大リーグ関係者たちにも、はなはだ失礼ではなかろうか、と思う。このブログでもそんなことは考えもなくボクの個人的うれしさから「通算」の記事を載せてしまった…。
「野球」と「ベースボール」はその質的量感というべきか、そもそも違っているのだから。今後、松井選手達の個人記録には配慮して記事を書こうと思った…。

…明治の野球大スター・青井 鉞男が自ら考案した「千本素振り」の練習方法は、巨人軍4番打者・長嶋茂雄が受け継ぎ、それを松井秀喜選手に直伝していることはあまり知られていない…。

今日の試合で松井選手はサイン通り、内野ゴロだったが三塁から本塁を狙って走塁。球が逸れてセーフになったが逸れていなかったらどうか微妙だった。ただ、彼が本塁に滑り込んだ際に左手を使って本塁にタッチしている。この冷静さも松井選手らしさであり、また松井選手の野球観を育てた「日本野球」のプレーとして見ることも出来るのでないだろうか。
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by mlb5533 | 2010-09-23 02:36 | 第八章

19号ソロ!

結果は、
LAA 7-4 SEA
でエンジェルスの連勝に終わったが…。なんだかすっきりしない。

4回の打席で19号ソロホームランを打って、前打席では四球を選び、そして7回1死二塁の場面で交代とは…。
確かに得点は、
LAA 7-0 SEA
試合運びとしてはエンジェルスの勝利は目前ではある。
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ここのところ、松井選手の記事が多い。来季は契約せず、とのこと。本人は、そんなことはお構いなしの反応だ。
「自分がコントロールできない、先のことを憂えても意味がない」
「どの試合も準備を尽くす。何も変わらない」
松井選手らしいコメントだ。
来季は来季、いまを生きる姿勢が松井選手の美学でもあることは承知の上だ。

ただ、ボクのような松井ファンにしてみれば、ちと、ムッとくる采配だった。チーム事情もわからないでもないが、7-0 をひっくり返した試合は何度でも見てきたし、現に今日、イチロー選手が3ラン! あっという間に7-3。現在のシアトルにしても7点のビハインドを跳ね返すだけの打撃陣ではないかも知れない。しかし、エンジェルスの投手陣とて7点が安全圏と言われるほどの投手力も備わっているだろうか、と思う。

巨人軍、ヤンキースと常勝チームに所属していた松井選手。そのチームで4番を張ってきた選手でもある。それを見続けてきたボクにとって、今日の交代にムッとしてもご理解いただけると思う。あれでは、いかにも来季はマツイはいませんから、と言っているのも同じだ。
3A、2Aの選手をデビューさせる場面なら、もう少し大切にしてあげてもよかったとさえ、感じたが…。

ファンであるボクは来季のことなんて考えたくもなかったが、こうまでされるといろいろと考えざるを得なくなる。

昨日、ボクの机の上に松井選手の事務局からホームランカードが届いていた…。


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by mlb5533 | 2010-09-12 15:10 | 第八章

あきらめてなるものか!

ほんと、今日の試合での松井選手が得点を挙げた場面で、そう思った。
お世辞にもいいあたり、ではない。明らかに打点稼ぎ見え見えの打撃だった。
LAA 5-3 OAK

この、7回1死三塁の場面で打席に立った松井選手。フライでもよかったし、転がせばなんとか得点に繋がる。三振だけは絶対に避けなければいけない。
1点もあげないぞ、との意図で前進守備をとるオークランド内野陣。
B1S2。
見送ればボール球だったかもしれない外角の変化球を、バットの先で引っかけるように引っ張った。打球は前進守備陣の間を抜けた。ライト前に転がる「技あり」の一撃だ。
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こういう打撃は松井選手っぽくない。豪快な一振りで決めている印象が強いボクたちにとっては、ちと、珍しいヒットだった。しかし…。
これがチームバッティングだろう。勝利を最大限に引き寄せるためには、こういうヒットは松井選手にも「お似合い」だとボクは思った。チームの勝利こそ! を言い続けているクラッチヒッターとして、むしろかっこいい、とさえ感じた。

現に昨日だった。ひどい…。打点稼ぎの場面で…、思い出したくもない。あの松井選手が自分のバットを放り投げたのだから、悔しさはそうとうだったのだろう。

こうした試合での松井選手を見ていると、伝わってくるものがある。それは、「あきらめてなるものか!」というチーム全体の勝利への意地っ張りだ。いいなあと思った。
MLBとは、意地を通してナンボの世界。チームを壊してなるものか、その意地を通していく松井選手に、ボクは男としての仕事を感じるのだ。
今日の「技あり!一打」に、責任、ということばがかすめていく…。

NYY時代とはひと味もふた味も違っている松井選手の表情を今季は散々見せてもらっいる。チームメイトがホームインしたときは、NYY時代とは全く違う親しみのある笑顔さえ見せる松井選手。不満足な打撃をした瞬間は憮然とする表情があったり、腕をぐるぐる回して、コーチ顔負けの、まわれまわれ、のボディランゲージもするし、打点を挙げてベンチに戻れば自ら仲間にグータッチ…などなど。

で、今日の試合で、失礼ながら笑っちゃった場面がありました。ナポリ選手のホームランです。
B3S0からど真ん中に投げるかぁ~~。ナポリ選手は「ゴッチャンです、ハイ」とばかりセンターにドでかいホームラン。前に松井選手がヒットしていたので結果は2ランです。ちと、笑っちゃいました…ごめんなさい、オークランドファン様。
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あきらめてなるものか!

マジックだか万年筆だか知らないけれど、そんなもの、いまのエンジェルスには全く関係ない。
泣いても笑っても残りは20数試合。
さあ、ほんとうの(ニワカじゃなくて、っていう意味です、誤解なにように!)松井秀喜ファンたちよ!
彼の打点稼ぎに今日のような「技あり!打撃」も期待しましょう…。
そして、当然のこと「アレ」も、ですが…。

しかし、それにしてもナポリ選手のホームランは笑えましたです、ハイ。


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by mlb5533 | 2010-09-06 13:47 | 第八章

9月になると…。
気になってくるのは「10月決戦」だ。目下100勝ペースで快進撃を続けるヤンキースは東地区から順当に上がってくる。特に今季、ヒューズ投手の成長がめざましい。ヤンキースの勝ち頭サバシア投手18勝に次ぐ、16勝を挙げている。

打撃ではなんと言ってもカノー君の大成長が目立った。8月22日、シアトル戦での満塁ホームランはお見事の一言に尽きる。A・ロッド選手がいないいま、堂々の4番打者ではないか。背番号24のカノー君は、23番が欲しかった。そう、80年代のミスターヤンキースこと、マッティングリー選手の背番号だ。3Aから大リーグにあがった05年は22番だった。07年にクレメンス投手に22番を譲り、現在の24番に。本人は「ジャッキーロビンソンの42をひっくり返した」と言っていたそうだが、彼をよく知る選手はヤンキースの永久欠番背番号23のドンマッティングリー選手に憧れていたと聞く…。
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カノー君は現在ドジャース監督のトーリ監督さんに見出された選手で、守備はお世辞にも上手とは言えなかったし、走塁でもボーンヘッドは度々。それでもトーリ監督さんは彼を使い続けてくれた。打撃センスは超一流。柔らかな体から巻き込むようなスイングはカノー君の個人技そのものだ。彼がいま、事実上ヤンキースの打撃陣を牽引している。

8月はカノー君の活躍ばかりではなかった。
ジータ選手の2874安打が一際輝いている。ベーブルースの安打記録を超えたのは8月8日ボストン戦でのことだった。投手はエース・ベケット投手。タイムリー2塁打だった…。7-2でヤンキースは勝利した。
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そして、8月8日のトロント戦で通算600号ホームランを打ち込んだA・ロッド選手。今季、ずいぶん体をしぼった彼。そのせいかパワー不足にも感じるがそれでもやはり彼の存在はヤンキースでは大きい…。
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テシェイラ選手もここに来てだいぶ打率も上げてきた。ムードメーカーのスイッシャー選手も相変わらず元気でプレーする…。
今日、オークランドに勝てばSweepだ。西地区をおもしろくさせるためにも…とは、欲張り過ぎたか。

今年のヤンキースは昨年以来「優勝」の味を思い起こしたはずだから当然連覇を目標にしているはず。おそらくだが、ボクは「これ」は大いにあり得る、と読んでいる。今年のヤンキースは強い。ほんとうに強くなった…。勝ち方を熟知しているヤンキースだ、パドレスやブレーブスと当たっても決して負けはしないだろう、と思うほどヤンキースは強くなった。

ヤンキースとレイズの両チームが目下、「10月決戦」の目玉になっている…。


…NY152…
by mlb5533 | 2010-09-03 02:18 | 第八章