とっくにご承知でしょう、松井選手が今日もアナハイムで連夜のホームラン。
28号です。ヤンキースの選手になって、通算140本目でした。
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…昨年この日、松井選手は左ひざの手術をしています。ヤンキースはプレーオフ進出がなくなり、暗いニュースが続いた頃、松井選手は結局左ひざの手術をすることが決まった。06年にあの怪我をして以来、松井選手をとりまくニュースにはどこか明るさが消えいてた。だからボクのようなファンは静かに彼の回復を待つしか出来なかった。監督さんも変わって、もしかしたら来季からは出場出来なくなるのか…、などと不安なオフを過ごしたものでした。そして、今季忘れもしません。開幕初戦は4番DHで先発出場。初ヒットは2ランホームランで開幕した松井選手でしたが、その後は低迷が続きました。打順も7番か代打が続きました…。6月になってもパッとしませんでした。松井選手に対するイヤな噂を流す記事がでたのもこの頃でした。ところが8月から急速に回復、膝の不安があったことさえ忘れてしまうほどの活躍です。いまや、3番テシェイラ選手、4番A・ロッド選手、5番松井選手は完全に固定しています。

で、確かに監督さんの松井選手に対するかかわり方、期待する内容に違いを感じます。
トーリ監督はもっぱら松井選手にアベレージと打点を要望されていた感があります。「滅多にでないホームランを期待するより、確実な得点」をあげるチーム作りだったのかも知れません…。
しかし、ジラルディ監督さんは「松井選手の本来の姿」を要望しているように見えるのです。白球を遠くに、そして大きく飛ばす打撃を…。その体に戻るまで待っていたように見えます。チーム打撃が今季少なく感じるのは、むしろ監督さんの要望なのかも知れません。とくに、今日の試合でA・ロッド選手が犠打を打って6-5にして、続く松井選手は2死1,2塁の場面で三振していますが、フルスイングでした。軽くあわせていれば…と思うのですが、今季の松井選手はもうそんな打撃はしなくなりました。ここがいままでの姿とは違っているように感じます。日本を代表する長距離打者としての本来の姿を発揮し始めている…。
だとしたら、30本塁打はファンやメディアの期待ではなくて、むしろ松井選手は打たなければならない本数です。打つべき本塁打数なのではないでしょうか…。
監督さんは松井選手の膝の具合を配慮してか、休み休み大事に使っている感じ。決して4,5連戦とは使っていない。ファンにしてみれば試合があればいつでも出場している松井選手を見たいものですが、休ませながらの起用。そのおかげか、次第に体調が向上していきました。
この起用法は松井選手に限らず、A・ロッド選手も同様に見えます。また、若手選手もまた4,5連戦させません。今季ヤンキースはまるで「猫の目打線」のようにも見えます。8月以降の松井選手はどこか、のびのびと自由に打撃を楽しんでいるかのようにも見えるのはボクだけでしょうか。
これがトーリ監督さんとジラルディ監督さんの違いなのかも知れない、なんて素人のボクはそう感じます。もちろんどちらが良くて、どちらが悪いなんていう比較ではありません。

その甲斐あってか、松井選手は本塁打が量産体制に入っています。
昨日は代打出場でセンターに27号を。日米通算471本塁打(日本332本、米国139本)目で、初の代打アーチ。
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ここ6試合で4本塁打と大当たり。左飛に終わった7回も外角低めの難しい変化球をフェンスぎりぎりまで飛ばし、好調さを示しています。
試合中にレンジャーズが敗れたことによって決まった2年ぶりのプレーオフ進出を勝利で祝っています。チームの中軸にいる松井選手の活躍がこの好結果に貢献しているのは、もはや誰が見ても明らかでしょう。残り10試合で自身2度目の30本塁打、2004年の自己最多の31本塁打の更新まで視野に入ってきたではありませんか。是非、この数字を達成して欲しいものです。

現在ア・リーグ東地区首位のヤンキースは、3年ぶりの地区優勝へのマジックナンバーを「6」にしています。プレーオフ進出が決まっても、静かに球場を去っていくヤンキースの選手たち。彼らは「まず、地区優勝を」と胸に秘めている様子。とくに松井選手には、頑張って欲しいものです。

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by mlb5533 | 2009-09-23 01:10 | 第七章

松井選手 26号!

今日は松井選手がホームランです!
昨日の予想が的中して、とってもうれしく感じています、ハイ。

a0094890_024846.jpg仕事から戻って録画を見る…。昨日のことがあったので油断は禁物、と思いながら…。
幸先のよい点の取り方でゲームは進みました。

テシェイラ選手が2ホーマー。
いいじゃないですか!

26本のホームランはヤンキースではDHの球団記録とか…。意外な低い本数だったので驚きです。
まだ試合数は13も残っています。30本も期待できそうです。
NYY 10-1 SEA
これで優勝まで、あと「9勝」になりました。

明日は早朝から仕事なので、またしても録画観戦。

松井選手の活躍が明日も続くことを楽しみにして、このアパートに帰ってきます。

あした、明日!

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by mlb5533 | 2009-09-21 00:33 | 第七章

仕事から戻って、たったいま録画を見終わって…、疲れました、ハイ。

んーーー。
NYY 2-1 SEAで9回裏には当然リベラ投手。
2死。あとひとりの場面でワカマツ監督は代打の切り札・スウィニー選手を送り出しました。大きな2塁打です…。危なくホームランかと思うほどの当たりでした。

そして、続くは、1番イチロー選手。
アナウンサーは「ここでヒットが出れば同点」と言う。そんなこと、いちいち言わなくても見てればわかります…。だからボクとしては、「抑えて」と願うばかり…。

今日のイチロー選手は昨日のサヨナラで気をよくしているのか、4-3とバカ当たりしています。
なので大投手・リベラ投手には失礼でしたが「ムリしなくていい…敬遠しておけば」という言葉も録画を見ながらそう言っている自分もいました…。
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初球でしたね…、真ん中に入ってきた球に見えましたが…。
イチロー選手が打った瞬間、わかりました…。ああ~~。
んーーーー。逆転サラナラ2ランホームラン…。んーーーー。
ベンチは大騒ぎ。24番まで51番をダッコしちゃうほどのはしゃぎようでしたし…。

この場面で思い出されるのが、今年のWBCの優勝決定戦。
1塁が空いている。しかし、投手はイチロー選手とあえて勝負して、打たれました。
今日もまたリベラ投手はこれと同じミスを犯したように感じましたね…。
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アナウンサーが「ヒットが出れば同点」とは言いましたが「ホームランが出れば逆転」とは言いませんでした。ここなんですよ、イチロー選手に対するイメージは…。
イチロー選手イコール内野安打という印象はありますが、彼とてホームランは打ちます。なぜイチロー選手を敬遠しなかったのか…。1塁が空いているのに。

リベラ投手という偉大なストッパーとしてのプライドなのか…
それとも小柄なイチロー選手をヤンキースベンチはあなどったのか…
いずれにしてもイチロー選手の打撃は、明らかにインサイドの配球を読み切った打撃。
狙い打ちされたって感じです…。はっきり言って、悔いの残る敗戦でしたね、ボクには。
シアトルマリナーズファンにはもうこれ以上ないというほどの最高の試合だったことでしょう。
明日の地元新聞が売れることでしょう…。

a0094890_23584187.jpgで、ボク…
明日もこの大事な試合が録画で見るしかない。仕事の途中でも、絶対に試合結果は聞かない。
新鮮な録画でじっくりと観戦したいからです、ハイ。本日は安打1本だけで我慢しておきましたが、明日、きっとピンストライプがよく似合う(明日は着てませんが)マのつく選手がドラマを創って、今日のお返しをしてくれるはずですから…。絶対。

さあ、また明日、あした!

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…NY152…
by mlb5533 | 2009-09-19 23:56 | 第七章

見たか! 
これぞ、松井選手の真骨頂。大リーガー多しといえども、勝負強さは超一級です。

NYY 2-4 TRO
2点ビハインドで迎えた8回裏。1死、A・ロッド選手がセンター前に安打。
続くは我が松井秀喜選手…。4球目だった、外角低めに変化球が投げ込まれた。
外角低め。このストライクゾーンは松井選手ファンには先刻ご承知、彼にとっては鬼門のエリア。日本でプレーしていた頃からなかなか安打が出ない苦手ゾーンのはず、だったが…。
それを、である。膝を使って身を屈め、バットの芯で捉えた。衝突音とともに打球は伸びる、ぐんぐん伸びる。右中間のスタンドまで白球は飛んでいく。

お見事! 同点にする「25号」2ランホームランを打ち込んでくれた。
ヤンキースタジアムの大歓声のなか、松井選手がホームに戻る…。

同点になって、9回表。
ジラルディ監督は惜しげもなく、リベラ投手をマウンドに。
リベラ投手はいつものようにきっちりと抑えて、ヤンキースの反撃を待つ。
そして、なんと代打で途中出場した昨年デビューしたばかりのサーベリ捕手23歳が、
自分自身でもおそらく記念になるサラナラヒット! これには、主将・ジーター選手も手厚く祝っている。
これでヤンキースはマジックを「11」に減らした。
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松井選手だが、マッティングリー先輩ではないが、目下「手が付けられない状態」である。
打率は「.250」あたりでウロチョロしていた季節はもうとっくに終わって、いつのまにか、「.280」にのせているのだから。

ボストンは今日、エンジェルス戦。まさに死闘を演じた。両軍ともに代打を惜しみなく使ってこの「1勝」にかけていた。まるで、「10月決戦」の予告編でも見ているようだった。エンジェルスの守備力のもろさが出て、結局は再逆転したボストンがサラナラで決めている。

さあ、9月ともなれば各チーム「数値」を競い合う。各選手もまた自分の「数値」を上げていく季節。
MLBがもっともおもしろくなる季節が、いま、である。
明後日、イチロー選手のいるシアトルとの3連戦。もう、仕事の手が止まってしまう…。
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by mlb5533 | 2009-09-17 12:52 | 第七章

今日の試合は…
そうです、散々でしたね。トロントにスナイダー7号2ラン、8号ソロ、リンド30号ソロ、エンカーナシオン3号ソロ、バティスタ6号ソロと5本もホームランを打ち込まれ、挙げ句の果ては8回ポサーダ選手が背後に投球したことから抗議したのがきっかけで、大乱闘…。
なんと、松井選手までも突撃かぁ??…なんて、記事も飛び出す始末でした。
ほんと、滅多にない珍試合でした…ハイ。

それにしても松井選手って、やっばり「ヤンキース」がお似合いです。そう思うのはおそらくボクだけではないかもしれません。シアトルの友だちもこんなことを言ってました。
「松井はNYYに残るのではないかしらねぇ・・・・ 何となくそんな気がします。 膝などの心配はありますが、でもまだDHとしては打つところで打ってますし、それにあのお客さんを引っ張って来てくれる力はスタインブレナーとしてもバカに出来ないでしょうからね。 Jeterが健在なうちはきっと大丈夫ですよ。FAと言う制度、こうなると要らぬ心配をさせてくれますね」
とのことです。ほんと、FAっていいのか悪いのか…やきもきさせてくれます。が、でも、しかし、いや、絶対に、松井秀喜選手が自分の「夢」を追いかける舞台は「ヤンキース」でいいのです。このチームこそ、最適であり、居続けることだけでも、いや、選手生命を生涯このチームで全うできたとしたら、スゴイのであります。「ヤンキース」ってチームは、プロスポーツ界の頂点なのですから。

今日、ブライアン・キャッシュマンGM(42)が来季残留に関してこんなコメントをしていました。
「マツイに限らず、どの選手もプレーオフという短期間の活躍だけで評価を変えることはない。補強は、総合的に見て“その選手が必要か”という基準で判断する」と。
なら、誰が見ても松井選手はヤンキースには絶対に必要な選手でしょ!
ドン マッティングリー大先輩がヤンキースのコーチ時代、松井選手を育ててくれましたが、彼がこう言ってます。
「マツイは調子に乗ると手がつけられない」
と。もしかしたら、ですよ。今季のワールドシリーズで、ですよ。
ヤンキース対ドジャース
ってのも、まったくの「おとぎ話」ではなくなりましたぞ。この「10月決戦」では、あり得る話、です。
トーリ監督とマッティングリー大先輩率いるあの名門・ドジャースとぶち当たることだって、現実味が出て来ました、今季は。しかも、ドジャースには「日本男子の魂とは…」を、絵に描いた投手・黒田投手がいるのですぞ。
万が一、そうなったら、皆さん…。どっちを応援する気ですか? こまるよねぇ、これって。
松井選手がボコスコ、ホームランを打ったけど、3勝4敗で負けちゃった…なんてのは、最悪でしょ。かといって、4戦全勝の圧勝でヤンキースの勝利ってのも、なんだかつまんないし、ねぇ。

生涯はじめて「他のチーム」のユニフォームを着たマッティングリー大先輩。80年代、ヤンキース冬の時代をひとり背負って立った「背番号23番」は、いまやヤンキースの永久欠番です。現役中、リーグ優勝すら出来なかったヤンキースの最悪の環境で頑張っていたマッティングリー大先輩。その大先輩が打撃コーチとしてドジャースを鍛え上げ、今季NLで優勝しでもしたら、古くからのヤンキースファンの皆々様、どうします? 困りません? その上、監督さんはトーリさんでしょ、彼は徒者じゃないですから。ご承知のとおり、人格者でもあります。
先輩対後輩
って、観戦の仕方しかない出来ないかも、ボクには。

とかなんとか…、こんな「夢」を見るだけでも昨年とは大違いです。こんな話をヤンキースファンたちとダベるだけでも、楽しくなります。
もちろん、相手チームがどこであれ、本音は「ヤンキース諸君」に勝ってほしいですけど。しかも、その勝ち方は松井選手の殊勲打のドラマ付きで…。なんて「夢」を見ている最近のボクです。

松井選手は永遠にピンストライプ。それが彼には美しい。そして、それが彼の追い求める「夢」であり、日本を代表する4番打者の「宿命」なのかも知れない…。
ここまで来たら過去の物語は「今季10月」のための、枝葉末節に過ぎない。
今季こそ頂点に立った「背番号55」の晴れ晴れとした笑顔を全世界の人々に見せてあげようか…。
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by mlb5533 | 2009-09-16 18:03 | 第七章

レイズにとって、ヤンキースとの4連戦は「10月決戦」進出を賭けた大事な4連戦だった。
それまで4連敗中のレイズ。ヤンキースとの4連戦でなんとか踏みとどまりたかったことだろう。だが、結果は4連敗。ボストンは2連勝して、81勝。8連敗となったレイズは72勝のままだ。これで今季のレイズは事実上終わった…。明日からボストンとの3連戦があるが、数の上ではもう届かない。

数、数値…。
ベースボールというスポーツは他のスポーツと比べて「数値」だけでもボクたちは楽しんでいる。打率が上がったとか、あと2本打てばホームラン王だとか、盗塁数は一番だとか…。
そもそも1845年、「ベースボールの父」といわれるアレクサンダー・カートライトがアメリカ・マンハッタンで若者たちを集めてボランティア消防団を創り、ここで始めた「ベースボールのルール」が現代野球の源になっている。ベース(塁)という考え方や、ゴール(得点)ではなくて、ホーム(家)という表現、チーム(仲間・団員)で競い合う意識はあきらかにボランティア精神がその柱になっている。カートライトはこのスポーツを通じて、体力の増強もさることながら、チームプレーによる感激を伝えたかったのかも知れない…。9人制で3アウトで交代、ファールという考え方など現代野球の基礎ルールはここで創られている。1868年に日本は明治になるが、それ以前の江戸時代の頃にベースボールは誕生している。
ただし、この時は「21得点ルール」だったから試合時間がとてつもなく長いのだ。とにかく相手チームより先に、21得点をとらないと試合は終了しない。観戦する両親や友人も退屈してくる…。

ベースボールはここからはじまり、幾たびもルール変更した。変更の狙いは「試合時間の短縮」である。1857年「9回までに得点が多かった方が勝利チーム」となり、1858年「見逃しストライクコール」が認められ、1879年「9ボール」で1塁へ。1880年「8ボール」で1塁、3つめのストライクを見逃すか捕手が直接捕球したら「ストライクアウト」。1882年、それまでは下手投げしか許可されていなかったがこの年「横手投げ」が解禁。1884年、ついに「上手投げ」が解禁し、さらに「6ボール」で1塁へ。1889年「4ボール」で1塁へ、これが現在のルールに残った。
守備でも、それまではワンバウンド捕球でもアウトだったが、1864年には、ノーバウンド捕球のみ、アウトカウントになると変更している。
これだけ度重なるルール変更があったと言うことは、ベースボール自体がおもしろいスポーツだったからだろう。あっという間に、全米に広がっていく。

試合時間を短縮すると、なにが生まれたか…。
スリリングなプレーが生まれてきたのである。思いもかけない直接捕球が見られる。打者を三振させる。素早く捕球して、送球する。送球の早さに負けないように塁へ、より素早く走り込む。
ボランティア精神から誕生したベースボールというスポーツに、スピードが生まれた。従って、スリリングなプレーが続く。となれば、「観戦する価値」が出てきた…。

1869年、米国でプロ野球が生まれた。新聞社は彼らのプレーを報じた。
その記事には、彼らの活躍を詳細にわたる「記録」と「数値」で表現したのである。打率、本塁打、打点、得点、三振数に四球数…。アメリカには、あらゆるスポーツデータを管理する会社が存在していると聞くが、当然だろう。とくにベースボールは「記録」そのものに「価値」があるのだから。
それにしても、感心する。
19世紀当時のスポーツジャーナリズムである。スポーツ記者の一体誰が始めに「打率」「打点」などに視点を向けて、ひとりひとりの累積成績を記事にしていったのだろうか…。これを発見したアメリカスポーツジャーナリズムの斬新的視座に感服してしまう…。もし、ベースボールに「記録」がなかったとしたら、なんとも味気ない。これほど「数値」にこだわるスポーツはベースボールだけではないか。サッカー、バスケット、アイスホッケー、バレーボールなどの球技種目があるが、ベースボールほどの記録と数値は報道されていない。

ボランティア精神から誕生したスピードと数値のスポーツ「ベースボール」。
スリリングであり、ドラマ性の高いスポーツとして、完璧なまでにボクはこれに魅了された。

そしてここにいま、2721、という数値と、70年という歳月の数がある。
2721とは、安打の数であり、70年とは2009年と1939年という時の間隔だ。
1939年、ルー ゲーリッグ選手が通算17年間2130連続試合出場記録を残して、ヤンキースを退団したが、彼の累積安打数が2721本だった。彼が在籍中、ヤンキースは8回ワールドシリーズを制覇、ベーブルースとともにヤンキースを王者に育てた第一人者でもある。通算満塁本塁打23本は、21世紀の今日でもまだ誰も破ることが出来ない。長い大リーグの歴史上「永久欠番」という思想を考えついたのも、ルー ゲーリッグ選手からである。ヤンキースでは「背番号4」はルー ゲーリッグ選手以外、後にも先にも彼だけが付けていた背番号である。

37歳で難病から夭折したルー ゲーリッグ選手…。ボクはこの人から、なぜか文学的な香りを感じてしまう。ディマジオ選手よりも、なぜかボクはミッキー マントル選手を好む。最近では、ティノ マルチネス選手、ドン マッティングリー選手。そして、「永遠の背番号51」バーニー ウイリアムス選手…。こんな選手たちにもボクはゲーリッグ選手と同様の香りを感じてしまう。スポーツに文学を持ち込むのは、彼らには失礼だとわかっているのだが、これもボクの観戦の楽しみぐせ、お許し願いたい。

ルー ゲーリッグ選手をレポートしたらこのブログでは収まらない。アメリカの書店にでも行けば彼に関する著書や夫人の書き上げた伝記もあるだろう。それほどルー ゲーリッグ選手はアメリカ国民には歴史の人であり、ヤンキースの選手にとってはもはや「神的存在」だろう。

ヤンキース一筋、ルー ゲーリッグ選手の生涯。打ち込んだ安打数が2721本。
この記録に挑戦権を持つだけでも現代の大リーグでは困難だろう。というのは、1チームに生涯在籍する選手が少なくなったこと。チーム事情と選手の要望からトレードは平気で行っているからである。
この数少ない挑戦権を持っていたのが、現代っ子ジーター選手である。

1995年、デビュー戦はシアトルマリナーズ。初ヒットしたが、この時マリナーズの1塁にはティノ マルチネス選手がいた。それから14年間、2008年まで2535本の安打を積み上げてきた。2009年9月7日から9日、ヤンキースタジアムで昨年のAL優勝チーム・レイズ戦。7日のダブルヘッダーでは8-0、8日は4-0と、12打数0安打と散々だった。あと3本なのに、これが容易に打てない。
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現代っ子ジーター選手は自分が今なんと対峙しているのか、わかっていた。そうだ、子供時代から聞かされ続けてきた伝説の偉人「神・ルー ゲーリッグ選手」と向き合っていることを…。
2721本は現代っ子ジーター選手にとって、「神の領域」に思えたのかも知れない…。この領域に自分が入り込む…。神の部屋の扉を開ける…。それには、「あと3本の安打」がどうしても必要なのだ。
なのに、この3試合では、4三振もしている。神・ルー ゲーリッグ選手の直前で、堅くなっている自分をもはや隠せない。観客のため息などジーター選手にはなにも価値がないのだ。

そして、9日になった。
誰もが「今日はムリだろう」と予想していた。3本の固め打ちは難しいだろう…と。
ところがジーター選手、なにを思ったのか第1打席は絶妙なバントヒットで奇襲をかけた。全速力で1塁に走り込んだ。セーフ! あと2本、になった。観客の大拍手がヤンキースタジアムに鳴り響く。
3打席目はセンターオーバーの2塁打。そして、7回裏4打席目にライト前ヒット!2721本、達成だ。現代っ子ジーター選手が「神の部屋」の扉を開けた瞬間だった。記録達成したジーター選手に観客は惜しみない大拍手を送り、歓喜の歌声はなんと2分間も鳴り止まなかった…。
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だが試合は、
0-2
負けていた。この試合に「神・ルー ゲーリッグ選手」が手助けしたのか。8回裏、A・ロッド選手がヒット、続く松井選手が強烈な打球をライト線ぎりぎりに飛ばす。勝負には絶対的強さを発揮する松井選手のこのヒットが、敗色濃厚な試合の流れを一変した。勝敗を分けた打撃だったといえる。
松井選手には代走が送られる。へアストンJrが塁上に。無死1,3塁の好機を創り出したのである。
続くスイッシャー選手の内野ゴロがエラーになって、A・ロッド選手生還。これで、1-2。
代打のポサーダ選手が劇的な逆転3ランをライトスタンド上段へ!
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4-2。
これで、レイズ戦は4連勝。ヤンキースは今季91勝目をあげ、東部地区優勝マジックは14になった。
もはや東部地区での優勝は時間が決めてくれる…。「10月決戦」進出はもう決定した。

1チームで選手生活を全うする。このこと自体が現代ベースボールでは難しい。「10月決戦」に向けてトレードが許される現代の大リーグ。個人的な希望や環境からチームの移籍をしていく選手たち。そんな時代の中で、現代っ子ジーター選手がヤンキースというこの上ないビッグチームで15年間プレーし続けている。
この先、ヤンキースの選手が誰ひとり歩いたことのない道を、ジーター選手自身が創っていく。

ヤンキースにまたひとつ、新しい伝説が生まれた日である…。

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…NY152…
by mlb5533 | 2009-09-11 16:08 | 第七章