自己紹介みたいな記事です

松井選手だけの話題で書き留めておくためにこのブログを創ったのですが、自分のことも書くようにしたので、これからは自分がしていることも書きますね…。そんなことも記事にしているときっと、なんでボクが松井秀喜選手がお好みなのかもご理解いただけるでしょうから…。

自己紹介みたいな記事です_a0094890_17292678.jpgさて、この夏に…。
ボクがまた脚本/演出した舞台が終わりました。
「手紙の舞台」をはじめて12年間、この夏で13通目をお届けできました。
ご来場いただけた皆様には、いかがでしたでしょうか?

この夏は、夏目漱石先生の「坊っちゃん」を題材にしての音楽劇。
題して「坊っちゃんからの手紙」です。

さて、今回の自己評価はというと…正直、あまりよい点数は出せないのです。

40点

どんなにひいき目に見ても自分ではこの程度だったということです…。


原因は台本が即席だったから、十分な読み返しが出来なかったこと。
これが、ちと、癪に障るのですよ…ハイ。
ここをこういう台詞にすればよかったのに、とか…後悔する箇所が目立ったことですね。

病院生活が長かったから、思い通りことが運ばなかった。なんとなく、いらいらしながら書いていたので、満足感やボク独特の「自分でも笑っちゃう」ことが一切なかった。しかも、入院していたから資料も十分に読めないのですよ。なので、想像の世界が膨らんでこない。まあ、これも言い訳。

こんなことを言っているのだから、よい点数は出ないのも無理はないでしょ…ねッ。

夏目漱石の世界はどちらかというと、ボクには得意としていない世界なのですよ。そのうえ、夏目漱石って日本人のほとんどが知っている超有名作家でしょう。「漱石マニア」もたくさんいると聞いておりますし…。
こうした超有名人を題材にするのは、ボク、昔から気が乗らないのですよ、ね。
でも、去年「やってみる」って言っちゃったし…。

ボクにとって漱石先生って、典型的な「優等生の世界」との印象が子供の頃から強すぎまして、取っつきにくいのです。小学生の頃、学級委員をしている育ちのいい少年がいましたが、将にそれ。勉強の成績はいいし、運動もまずまず…という優等生って皆さんも子供時分に見かけませんでしたか?

そんな感じが、ボクの漱石観なのです。

かと言って、どうあれ漱石の周辺を台本にするのですから、久々に江藤 淳 先生の「漱石とその時代」(新潮選書)の5部作に目を通してみました。これがまた、大いに役立っちゃって…漱石の「アンチョコ」みたいでした、ハイ。

本当は、真之と子規の関係をもっともっと描きたかったのですが、なにせこの舞台は「ファミリーコンサート」なので、あそこまでが限界でしょう、ハイ…。あれ以上書くのなら、最低あと1時間の芝居場面が必要だし、テーマが、ちと、重たくなります。「ファミコン」って訳にはいきません。本格的な舞台になっちゃう。

とかなんとか、なにかと自分で制限をかけながら創った台本なので、なかなか書いていて、日々満足できなかったのですよ。
得意の世界を書くのだったらもっと書きようがあるのだろうけれど…。

ただひとつ、今までとは違ったことがありました。

それは「手紙」です。

今回も古い友だちから「よかったなあ…いつもいつも感心させられるよ、あの手紙には」と、いってもらえましたが、「手紙の中身」が例年とは違っていました。

過去の舞台で使った「手紙」は、全部ボクの創作の世界なのですが、今回はそうはいきませんでした。実在する夏目漱石、正岡子規、秋山真之、滝廉太郎…ですので、彼らが実際に書いた手紙が残されています。漱石全集にせよ、子規全集でも、日本音楽史などでも、彼らが残したその「手紙」の朗読を、柳沢三千代さんがやってくれたのです!

彼女は、稽古中、雨宮さんのピアノ演奏でのBGMの指定は、ご自分の判断でやっていましたし、衣装もなるべく「オンナ」が出ないようにしようとの意図で、なんども稽古場でボクと相談しました。
とくに、漱石の長文の手紙はなんどもなんども繰り返して、発音のチェックをしていました…。あんなに熱を込めた稽古を見るのは、ボクは初めてでしたね。


ところで、出演者たちの「手紙」に「歌」、そして「お芝居」には、よい点数をいただけた、と思ってますが…どうでしょう。
お客様からの声が届くたびに、うれしい評価のことばが続く。ありがたい。

水野さんはわずか3日間で仕上げてもらった。さすが、です。
秋山真之と正岡子規の場面は、ふたりには得意の「歌」をさせずに、「芝居」だけにしました。
むしろ、それでよかった、とボクは思っています。

ボクのこだわりである、「ナマ音」「ナマ声」を理解してくれる雨宮バンドとももうかれこれ、4年のつきあいになりました。ドラムの松田君は現在はボストンのバークレーで音楽の勉強中ですが、この公演だけは「参加しますからね」と、自分でも楽しみにしているようです。


…とにかく、ここで13回目が無事に終了。
3公演では、古い友だちが来てくれたり、新潟や広島などの遠方から足を運んでくださったり…ありがたい。「元気をもらった!」とか「懐かしい歌がよかったよ!」とか、特定の役者さんを「好評」してくださる方もおられました…。新人のソプラノ、茂木さんと宮ヶ原さん、ありがとう!

拍手!

さて、まだまだ続きますからね。
そうそう、そうでした。今回、新しい記録が出ました! お教えします!
観客数がいままでの「ユーガット」史上、最高の席数になりました。ボランティアの方々はじめ、出演者たちもがんばってくださったおかげです…。

来年3月の公演は、芥川賞作家・由起しげ子原作「女中っ子」を題材にした舞台を書きますが、なんだあ、再演かあ、などと軽々しく言わないでほしい。今度こそ、日本劇作家協会会員に恥じない台本を皆様に提供するとともに、自分でも満足できる舞台に仕上げて、皆様と再びお目にかかりましょう!
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…NY152…
by mlb5533 | 2014-08-25 17:24 | 第二部