泥だらけの1勝!

やっとの思いで掴んだ泥だらけの1勝だった…。

レイズの若き選手たちは古豪レッドソックスのほんとうの強さを誰よりも知っている…。だから、そう容易く勝てない相手だと百も承知の上だ。どんなに得点を増しても、これで大丈夫、とはけっして思えない相手。それが昨年のワールドシリーズ覇者・レッドソックスであることくらい、わかっている。ラミネス選手が抜けても95勝するチームなのだから。

昨日は押しまくったが、試合が終わってみれば無得点の完封負け。要所要所を的確に押さえ込まれた試合展開だった。そして今日、もし負けるようなことがあったらレイズにリーグ制覇の夢の実現はかなり遠退いてしまう。1勝したい、なんとしてもレイズは1勝する必要があった。13日(現地時間)からの3戦は敵地ボストン。寒さが堪えるだろうが、ここで1勝すれば、またあたたかいホームグランドに帰って来られる。是が非でも今日は、1勝しなければならない。

ボストンはやはり強かった。
カズミア投手の立ち上がりは不安定。荒れ玉カズミア投手とはいえ、1回表ベイ選手に2塁打され、いきなり2得点を献上。しかし、昨日は散々だったレイズの4番・ロンゴリア選手が2ラン! すぐに同点に。
ところが3回、昨日から目覚めた安打製造器・ロンゴリア選手にソロホームランを打ち込まれ、1点のビハインド。ここでもレイズはまたしてもアプトン選手のソロホームランで同点に追いつき、さらに蔵フォード選手のヒットでロンゴリア選手が生還。1点差にした。4回にはフロイド選手のソロホームランで2点差に広げる。しかし、5回にまたしてもペドロイア選手の本塁打、ユーキリス選手の本塁打、ベイ選手の本塁打と1イニング3ホーマーを浴びて、6-5に。1点のビハインドだ。
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レイズはあきらめない。その5回裏だった。
アプトン選手は四球で塁に出ると、尽かさず盗塁を決め、ペーニァ選手のバットに期待する。ペーニァ選手はその期待通り、右中打へ。同点! 4番・ロンゴリア選手が左翼に白球をぶつけた。1塁からペーニァ選手が走る、走る、走る。 ホームイン! 打ったロンゴリア選手も3塁へ。1点差にしたのは、ロンゴリア選手だった。
ここでボストンは動いた。エース・ベケット投手をあきらめて、ロペス投手に。
だが、クリフォード選手はヒット! ロンゴリア選手が生還して、また2点差…。6-8だ。
6回、ベイ選手のヒットで7-8にされたがここから試合が固まる…。

と、思っていたとき8回だった。若いミラー投手が暴投。8-8の同点にしてしまう。
パペルボン投手がマウンドに。レイズには1点も与えないという監督の考えだ。レイズにはもう、ここぞという投手は残っていなかった…。

試合は延長戦へ。
11回裏、ボストンはベテランのティムリン投手がマウンドに立ちはだかる。
ナバーロ選手がなんとか四球で塁に。岩村選手も敬遠になって1死満塁。犠牲フライでサヨナラの場面を創り出した…。
アプトン選手が右ラインぎりぎりのフライをあげた。すこし浅い…かな。
犠打になるのか…。走れないだろう…。
3塁のペレス選手はそれでもホームにつっこんでくる…。
走り込んで、ホームイン! サヨナラ勝ちだ!
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ふり返ってみれば、レイズの若さが全部出た試合だった。経験のない、見たこともない道を彼等は多少のもどかしさを抱きながら、いま、「リーグ優勝決定戦」を歩んでいる。仲間達とともに…。
今日、球団創設11年目のレイズは、生まれて初めて「リーグ優勝決定戦」という大舞台で、「1勝」を手に出来た! 輝いていたよ、この光は!
この1勝を挙げるために君たちはまさしく、総力を挙げての、1勝だったことをボクは見ていた。
まるで初めて臨んだ甲子園球場の高校球児のように…。

古豪ボストン「レッドソックス」を相手に、「若さ」でしか立ち向かうことが出来ないタンパベイ「レイズ」。
この「1勝」は、君たちの宝物になったことだろう。こんなに素晴らしい試合をボクたちに見せてくれた「レイズ」は、MLBファンたちにとっても貴重な宝物になった。

さあ、13日からだ。
君たちは大リーグの名門チーム・ボストンの本拠地「フェンウェイ」で戦うのだ。この古めかしい球場にはかつて名選手達が汗を流した。今度は君たちが「新たな歴史」を創り出す時が来たんだ。

さあ、レイズ!全力でぶつけてくるがいい! 1勝だけでもいい。
そうすればまた、この「ホーム」に帰ってこれるのだから…。
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by mlb5533 | 2008-10-12 19:11 | 第六章